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店主中島の、習い事など趣味のページです。

2015年09月のよく遊べ
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●2015年09月16日(水)

今日のお客様 『西陣お召の着こなし』

着物 極細縞風通織 西陣お召単衣 なか志まやオリジナル
帯  アンティークレース文染め帯 仁平幸春
草履 和小物さくら 真綿入り帆布台 博多織鼻緒
袋帯 斑鳩間道(いかるがかんどう)

織司なかむら製の極細縞/風通織のお召は、機屋泣かせの織物です。『かならず織難が出る!』と断られているのですが、織難も織り込み済みで無理を言ってお願いしています。
織物としては限界であろうと思われる極細縞のお召、アンティークレース文の染め帯を合わせて、スマートカジュアに。
または、もう一枚の画像のように、『斑鳩間道(太子間道)』の袋帯を合わせて、準礼装の装いにドレスアップすることが出来ます。まったくのカジュアル、またはきっちりとした礼装ではないのですが、こうした『程よく礼を尽くす』姿勢を相手に感じて貰える布感がこのお召にはあります。『カジュアル過ぎない、ドレッシー過ぎない』という装いは、洋服においても着物でも、有効な装いと考えています。

●2015年09月15日(火)

袋帯 斑鳩間道(いかるがかんどう)洛風林製を合わせて、準礼装な装いに。

●2015年09月09日(水)

今の時代、準礼装の装い

着物 生絹/練緯・杉綾着尺 志賀松和子
帯  塩蔵繭名古屋帯    勝山健史
帯締・帯揚         和小物さくら

『織の無地着物に、織の帯を合わせて準礼装とする考え方』は、今から20年前くらいにはなかった考え方です。やはり染めの無地、または附下や小紋に織の帯を合わせて準礼装としましたし、今でのその考え方が主流かもしれません。

バブル期前後、辻が花や総刺繍など絵羽ものを、畳の上に誇らしげに広げて礼装ものを販売していた時と比べると、今の呉服専門店の商品は随分様変わりしました。
わたしが修行した頃はまさにそう言う時代でしたが、独立してお客様が1人もいない頃は、自分の懐事情に沿って、着回しの効く江戸小紋と高機結城の無地をよくお客様にお勧めしました。

その後、織司なかむらの西陣お召に出会い、なか志まやの着物の柱として、スーツ感覚の着物として、帯次第で着こなしのTPOを様々に装って頂くことを、懸命にお話ししてきたと思います。
その間に、呉服業界の中には、以前は細かい絣柄などを無駄に競って高額になっていた紬の中にも無地感覚のものが増え、なにより、昔にはなかったような透明感ある色糸で織り上げた、紬や先染めの絹織物が登場してきました。

『染めの無地よりも、織の無地』それも、上質な糸と染織の技を持った布です。元来、日本人の感性の中に『布フェチ』的なものがあると思います。美しい染め無地も確かに良いが、糸味のある織物のニュアンスある無地感覚の布もさらに良いとする感覚です。現代の生活の中で、今の洋服や生活設えの中に着物姿でいても、浮くことなく馴染むのも、織の無地感覚の着物の強みです。

こういうことが、今の時代の着物の流れだと考えるなか志まやは(違う考え方も勿論あります)、様々な無地感覚の織の着物、染めの着物を追い求めています。志賀松さんの織物、生絹(すずし)を基本に考える織は、数年前に初めて目にした時から痺れました。いま、なか志まやを代表してくれる、準礼装まで帯次第で装うことが出来る、糸と織の力がある布です。

展示会のお知らせ 9月19日(土)〜23日(水)
名古屋市本山 ギャラリーfloatにて 11時〜19時(最終日17時)
なか志まや 一衣舎 komamono玖 三人展

●2015年09月08日(火)

志賀松和子さんの新作着尺入荷しました。

経 27春生繭(生絹使い)
緯 27春座繰(精錬)
染 化学染料
組織 ヘリンボーン
丈 3丈5尺5寸 590g

杉綾(ヘリンボーン)の2作目、今回は緯糸に精錬した撚糸を使い軽やかに織上がりました。仕上げには湯浸 天日干し 砧打ちをしています。
色目はモダンなチャコールグレー。光線の加減で無地に見えたり、縞が浮き上がったり、グレーの濃さも変化するという、布の表情がとても豊かな織上がり。なにより適度な張りと生地のドレープ・光沢感が、ハイブランドの服地を彷彿させる呉服の着尺です。もちろん経年により、着心地はさらに柔らかくなっていくと思います。

帯合わせ次第で、準礼装にまでお召し頂けるエレガンスさがある、糸と織の力を感じて頂ける、なか志まやだけのオリジナル作品です。

●2015年09月05日(土)

長い出張からようやく東京に戻ってきました。今回はある展示会場のコーディネイトを頼まれていまして、その設営と搬出までのお手伝いをしてきました。

画像はその一部を撮影していますが、ここに多くの事が凝縮出来たように思います。着物も帯もそれぞれ一つのコンセプトでまとめてあり、建物全体、ここまでのアプローチに物語があり、ライティングも絶妙です。

搬出前に帯の織手さんと話が出来ました。
もうかなりの高齢ですが、作品に向き合うその真摯な姿勢に感動しました。このお年にしてこの向上心、見習わなければなりません。しかし、こういう素敵なものが作れるのはあと何年でしょうか。けっして多くの時間はないように思います。

光と影というのは、いつも対に存在していて、それは一つの作品から人間の生き様にまで見て取れます。光だから全てが善でもなく、影だからといって厭うものでもなく、お互いが補完しあっていて切り離すことは出来ません。