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ある日のなか志まやの出来事、つれづれ

2005年07月の店主日記
[過去の店主日記一覧]
●2005年07月24日(日)

髪結いのカズ

 『あんさん、今日はお疲れはんどした!』
 『おまはんよ、よう働いたな〜!』
 『あんさんが 頑張るさかい。。。わても。。。』
 『さよか。。。。。。。
  。。。。。風呂でももらおうか
  そやっ!今日はおまはんの背中流してやるさかい
  一緒に入ろか!』
 『。。。。。。。。ポッ。。。。。あんさん。。。
  髪洗ってくれますか!?』
 『今日は、シャンプー&カットですね!ご予約ありがとうございます!』

 神楽坂の美容室『サラス』を閉めて遊びにきた、遊び人のカズさんは、
『かみゆい の 亭主』ではなく『髪結い が 亭主』です(爆)

 帳場の奥に台所、急な階段そして、石風呂、、、、ほんとなか志まやがこんなお店だったら、、、、て思える処です。ちなみに、番頭はこの風呂場のところで、油売ってました、、、、、  

●2005年07月23日(土)

ゴトウヒロシ 羽裏  『Le JUBAN blanc』

 素肌に白い長襦袢だけを掛け、横たわる少年。。。。花?

このデザインは、ゴトウさんのパリでの個展に出品された作品をセレクトさせていただいたものです。図録には、コメントいらないよ!と言われていたので差し控えていたのですが、、、w ここではねw

 ゴトウさんの作品に一貫して感じられるのは(僕なりに)、透明感であり色気であります。それは初期の草花から最近の人物にいたるまで、タッチやモチーフはいろいろと変遷しましたが、ぎりぎりのところで何かを隠し持たせた色気とでもいうのでしょうか!?けっして全てはさらけださせない、そのもどかしさのある処が非常に魅力的であると思います。
 このHPでもなんどもいっていますように、なか志まやも、目指す着物は透明感のある着物です。それが具体的にどう表現するかは、その都度違うのですが、常に念頭にある言葉です。

 ゴトウさんの初めてのフランス語が、Blanc=白であるのは、偶然でないような気がしますし、なか志まやの着物もすべては『白』を向いた色彩を良しとしています。
ゴトウさんの本『イラストレーションスタイル』(絶賛発売中!!!w)によりますと、『大人の男になりきる前の一瞬のきらめき』がテーマと書いてありました。
大人の男が、これから大人の男になろうと輝き始めた処を切りとって絵にとどめたのでしょうか?
 このモデルの中に、僕のバスケ仲間の20歳の男の子もいますw
確かに彼らのプレーや、将来の夢を語る目には、無謀だ!と簡単に決めつけれない
無限の可能性を感じます。それは、まさに咲き誇ろうとする花の絵のようです。

 僕ももう大人の男なんでしょうかね?w
ただ、この歳でも、彼らと同じく相変わらず夢みがちな男ですから、
きっと僕は今でも、『白の時代』なんだと思います。

ね、ゴトウさん!そうだよねw

●2005年07月20日(水)

     ゴトウヒロシ 長襦袢 『芝草に蜥蜴』

 ゴトウさんの作品には、草花や生物を描いたものがたくさんあります。
僕がはじめて、ゴトウさんに出逢った頃に10mくらいのデジタル画の屏風を見た事がありますが、それは、『あんたは、俵屋宗達か〜!!!!』というくらいの物凄くものでした。この芝草の原画を僕は数年前に買い求めてしばらくお店に展示してました。3連からなる連作で、色も柄もものすごく好みでした。
 確かゴトウさんが、はじめて人を描き始めた『KENGO』という個展の前、、、
『液質』という個展だったかな。。。。。?

 今、あのときの思いをこうして襦袢にしてもらいました。
この芝草を見た瞬間に、、、、『襦袢にしたい!』てず〜と思ってましたからw

 そして、今その染上がりを手にして、、、、、、
『なんと素晴らしく、深く染まったものだ!!!!』
ゴトウさんの絵のタッチ、、、、その透明感と色気、、、そして液質感を見事に再現して、尚かつ襦袢という着物の下に着る『隠されたお洒落』を表現するに相応しい
出来上がりとなりました。
 この画像だけでは、よくお分かりにならないかもしれませんが、、、、
物凄い襦袢ですw
 京都展でも、僕の展示方法が今ひとつで、この襦袢の良さを上手くお見せできなかったかもしれません。
 今、まじまじとこの襦袢を手にして、、、、ここまで来たんだ、、、、、と

 今回も芝崎るみさんのお手伝があればこそ!
『ここまで来たんだ、、、、』とは、彼女のつぶやきというのが正しいです。

 あと2点、絵羽の長襦袢をつくりました。(ゴトウ作)
この襦袢には『蜥蜴・とかげ』という隠しキャラがいます。どうか手にとり、お探しください。そして羽織ってみてください。

 表生地価格¥90,000  絹100% 羽二重

●2005年07月17日(日)

仮想呉服店2階 羽裏の間

 このように羽裏全体を木のフレーム入れ、2枚で一対とし合計8点展示しました。
それぞれの作品の裏には、行灯を仕込み、そしてエアコンの排気でほのかに羽裏が揺れるようにしました。
 手前の『縛り系』、、、そして奥の『龍』など、光と風により羽裏である作品以上に命を吹き込まれた感じがしました。

 手前の大きなテーブルには、今回の新作の『羽裏と襦袢』の図録を用意しました。
30点の作品には、それぞれタイトルと番頭中島による解説が書かれています。
実際の絹の生地に染めたのは、その内、羽裏8点、長襦袢4点、新作浴衣2点ですが、図案としてアイディアがあがったもの、あとは染めるだけのもの、地色変えのもの、これはちょっと無理かな〜wていうものまで、、、、載せてみました。

 また、作品のタイトルには随分、、、悩ませられました。
そして解説となると、、、、、岡さんには、呉服屋の目で見た解説をと。
ゴトウさんは、解説いらんよ〜wと。。。。。
 忙しいのと、頭ではイメージはあるのだけれども、言葉が見つからない、、、

 『縛り』の2作品は、僕が岡さんに無理に創ってもらったものだから、相当の
タイトルと解説をしなければ、、、、、と2日前まで、テキストが上がりませんでした。縛りのタイトル!?
 力作とメールすると、、、、各スタッフ、岡さんのご返事は、、、、
『わかりずらい。。。』   とほほっ〜

 でも結局、僕の案のまま作品図録となりました。
中島の熱い思い入れが、タイトルと解説になってます。このHPを使ってこれからひとつずつ、載せていきたいとおもいます。

 もちろん、気にいっていただければ、是非ご注文をください!
表地も含めて、ご相談に乗らせてください。
 すでに、京都で、この羽裏だから、、、表は○○で、こんな色で、、、などと
誂えの楽しさを味わってきました。
 是非、お問い合わせくださいませ。

 羽裏、襦袢ともどこにもない、逸品(呉服屋くせ〜w)となっております!
 

●2005年07月12日(火)

        エッフェル塔  岡 達也デザイン


昭和33年の6月15日に『京都・パリ友情盟約』なるものが締結されました。パリと京都は、いわゆる姉妹都市になったのです。三年後は五十周年。着物が似合う都市といえばまず京都があげられるでしょうが、パリも着物の似合う街として、京都に引けを取らない素晴らしい街です。
パリの象徴でもあるエッフェル塔は、近年では様々なライトアップがなされ、ますます魅力ある姿を我々に見せてくれます。生粋のパリジェンヌ 女将真矢に寄せて、そのパリジェンヌの旦那様にデザインをお願いしたのがこの羽裏です。

もうすぐ五十周年という友好の証しとして、この羽裏を纏って是非、今一度パリを訪れてみたい、否、そういう日本女性をパリにお連れしたいものです。
礼を尽くす日本の衣装『着物』に、そっと忍ばせた想いを肩に掛けて。

追記:そして、これをベースにして、さらに岡となか志まやから、素敵なアイディア 
   を着手のために、提案したい、、、、

 

●2005年07月06日(水)

    エッフェル塔の羽裏 岡 達也デザイン

 京都展に出ます!
すご〜くキュートです!精密に再現されたディテェールもさながら、全体のデザインから感じられるその心地よさ!
 昨年に巴里に行った時、よく聞いたフジ子ヘミングのピアノの調べ、、、
今なら、絶対に絶対に、、、、ソプラノ界の女王 ルネ・フレミングが唄う
『私のお父さん〜歌劇《ジャンニ・スキッキ》 作曲:プッチーニ)』
が聴こえてきそうな羽裏です。

えっ、、、何故に、中島の画像。。。?

う〜ん、、、、ここで見せたい。。。。。でも、でも見せたくないw
性格悪いw呉服屋です。

 呉服なか志まや 京都展は 巴里人女将真矢による仮想呉服店です。
パリをテーマにしたものを 創りたかったというのもあります。バトームシューで見
た夜のエッフェル塔の美しさ、、、、まだ朝もやがかかるパリの小路から眺めたエッフェル塔、、、、それは、僕が初めて東京に上京して、いづれ自分の部屋から、東京タワーを眺められる処に引っ越すぞ!と心に誓った時の感情と、どこか似ているのかもしれません。

 はじめて、パリを訪れたのが6年前、、、その時の苦い経験から二度と行くはずないパリに昨年訪れ、今は巴里人女将の仮想呉服店の番頭役(笑)
 真矢さんを前にして、パリの人は嫌いだ!て公言したのが、4年前。
その真矢さんは、なか志まやの着物を着てくれてる。
 う〜〜〜ん、、、、人生て不思議だw

 そんないろいろな想いが詰まった羽裏かもしれません。
そしてこういった想いは、これを羽織る方が創り上げる物でしょう。
そして、、、、この羽裏には プラスのお楽しみも用意してますw

 まさに 着る人に向けた『オンリーワン』のお楽しみになるように、、、

 画像がアップできるまで、、、、エッフェル塔と中島でお楽しみください!(爆)

追記:下の日記は、京都市役所前にいる女将 真矢!
そして、ここはパリにいる大番頭の中島!女将はお役所にお仕事、番頭は遊びほうけてます。現実もこのまんま。この時点で中島がやらなきゃいけない仕事、山積み状態!これをしたかったからエッフェル塔の画像を載せてないんです。
 はやく進めないと 女将に怒られる!!!!結構怖いんです、、、はい。 

●2005年07月05日(火)

  呉服なか志まや 京都展のコンセプト

 巴里人女将による仮想呉服店、、、、一言だと寂しいのでw


 和服をあつかう呉服店というものは、基本的にはファッション業界でいうセレクトショップにあたると思われます。自社ブランドだけのオリジナルな商品を展開するところはまず稀で、ほとんど多くの呉服専門店は、様々な染め屋、織元から着物や帯をセレクトしてお店先にならべてお客様に 自分のお店のカラーを提案します。
つまり呉服店とは、日本各地のブランド商品(染め屋、織元が創りだす)を礼装からカジュアルまで総合的に扱う着物セレクトショップです。
 しかし時代の流れとともに、各ショップ(呉服専門店)は同質化し、オリジナルというものは、じつはどこにでもあるようなものばかりになって、押し並べて、工芸性の高い織りの着物を扱うことが呉服専門店であるかのようになってきました。

 ここで、着物という衣裳を考えるに、先進国でありながら未だ民族衣裳を日常着として着ていることには驚かせられます。その衣裳文化を振り返るといかに自由な発想で着物を楽しんでいるか容易に分かります。着物や帯のデザイン意匠はもちろん、羽織や長襦袢の絵柄を見ますと、その日本人独自のウイットに富んだデザインには思わず目を奪われます。
そこには、どこにでもあるような、誰にでも似合うようなデザインではなく、
明確なこだわりとクォリティーで、その着手だけの『特別なもの』であることを具現化しています。つまり
『たった一人でもいい、わかってくれる人に向けた、オンリーワン!』を目指したデザインと物作りをしていました。だからこそ、未だに多くの方がアンティークの着物に憧れ続けているのだと思います。
 
 呉服なか志まやは、仮想呉服店というコンセプトのもと、2003年には岡達也、ゴトウヒロシ両デザイナーによる現代版画(コンピューターを介在させた)の浴衣に挑戦しました。今年2005年の京都展では、さらに『オンリーワン』にこだわり、仮想でありながら理想であることにテーマを絞り込み
この町屋という素敵な空間を、さらにバーチャルに演出し、どこにもない『私だけの特別』な呉服屋空間を目指しました。
 どこにも無い、見た事も無い『裏もの羽裏と襦袢』をはじめ、現実には考えられないデザイナー達のコラボレイト作品をセレクトした呉服店をつくり、さらにここで京都ならではの華やかな『お遊びの宴』も設け、そこはまるで一人の着物好きな方だけの為に設けられた、ステージのように、贅沢感とリラックス感を演出しました。

 私だけの『特別』を探す仮想(バーチャル)のような現実空間をもつ処
それが、『呉服なか志まや 京都展』です。ここだけのスペシャルをどうか体験してください