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ある日のなか志まやの出来事、つれづれ

2011年03月の店主日記
[過去の店主日記一覧]
●2011年03月28日(月)


郡上紬 宗廣陽介さんからお借りした、郡上紬。
DM用に撮影してみた。先の宗廣力三さんの作品と同じく、なか志まや的には今まで扱ってこなかったタイプの着尺なので、多少の戸惑いもあるが、布の力強さをひしひしと感じる。

先日、宗廣力三氏に師事された中野みどりさんの工房にお邪魔して来た。
10年くらい前に一度お会いした以来だ。その時のことを中野さんに覚えて頂いていて、僕は昔を思い出し少し恥ずかしい思いをする。なぜなら、自分は染めも織りも知らない事が多いくせに小生意気な呉服屋として、中野さんの作品を見ていたからだ。

染織には、その方の生き様が顕われていることがある。
僕は、そう云った思想的なことよりも、自分が理想とする、着姿、コーディネイトに使える着物だけを見ていたかもしれない。しかし、今ではそういう着姿を創るためには、色の深さにしても、生地の奥行きにしても、糸から始って最後の仕立てに至るまでの様々な創意工夫の積み重ねが必要なことを学んでいる。

それは、仁平さんの染めものを積極的に取入れようとする、呉服屋としてのスタイルの変化もその一つだ。いままで、勿論、紬作家さんに作品を依頼した事は多いが、その染織の作家さんの生き様にまで、目を配ったていたことは少ないと思う。

さて、この郡上紬、自分ならどういう着姿を作り出すか!
自分が避けていたものを取り込んで、どんな着姿をつくるか!楽しみである。
そして、やはりなか志まやらしいと言われるのが呉服屋冥利なのかもしれない。



●2011年03月20日(日)


ハンス・コパー 作品

●2011年03月19日(土)

紋織経緯真綿紬と玉糸紋織紬地を草木とロウと全面にムラ染めし

生地の風合いを視覚化した、まったく新しい着物 仁平幸春 作

ハンス・コパーの緊張感ある造形をした陶器。

その触感は実に滑らかで繊細であるという。

この着物も、何度も染めを重ねられ、水を通るごとに

生地の奥行きと厚みに反して、しなやかさを手に入れている。



●2011年03月07日(月)


クロワッサンの中に『着物の時間』というページがある。実は隔週に発売されている、この歴史ある雑誌の着物のページをあまりチエックしていなかった。先月の25日に発売された号がちょうど800号にあたり女優の富田靖子さんがこの記念号に出られたので、着付のお手伝いをした。

15年以上も前になか志まやで作って頂いた着物と帯と長襦袢、そして草履。いまのなか志まやの着物のトーンからすると想像もつかないようなきれいな卵色の着物。ボブにした冨田さんによく似合っている。

お互い歳をとったね〜と笑いながら、今までCMなどの時は信頼出来る女性の着付の方を連れて来ることが多いかったが、今回は中島独りで着付。『なかしまさんも着付するんだね?』と冨田さんに笑われた。だから、今回は雑誌に着付・中島寛治と出てしまっている。また、ライターの方がこの着物を作った呉服屋本人が今日は着付に来ているので、着物の説明などを本文に取り上げてくれたりしてる。
とても光栄なことだった。

他の雑誌のような折り紙的な着付よりも、自然な着付のほうがいいと言われていたけど、どような写りになってるか不安だった。まぁ、ぎりぎり合格点にいくだろうか。。。

万筋の江戸小紋に裏干支の兎を刺繍したり、八掛を小紋柄にしたりと、その当時、冨田さんとあれこれ着物を作っていたことが懐かしく思い出されるし、こういう風に着せたいというスタイリストな気持ちをもって動くのがなか志まやの特徴で、それは女優さんでも普通のお客様でも分け隔てはない。

こういう組み合わせがいいと昔から、こだわりを持って来たし、今のほうがさらに自分の中に方法論も増えている。生地、染め、織り、仕立てへのこだわりがさらに深度を増したと思う。

独立してからず〜〜とお客様の着物の着付をやってきて、相変わらず自分で納得のいかないところは多いけど、大まかなラインを出せるようにはなった。自分が勧めた着物をこうして着て欲しいというのをまず、一度はお客様に見て感じて欲しいのだ。
これはこだわりと云えばそうだし、ある種、わがままな部分かもしれないけど。。