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ある日のなか志まやの出来事、つれづれ

2012年04月の店主日記
[過去の店主日記一覧]
●2012年04月28日(土)

蔵から出て来た色留袖。。。


いや、なか志まやには蔵はないが、封印していた留袖、色留袖などを出してみた。
いわゆる『お蔵出し』のきもの達。。。

中でも京都・考槃衣装、前田親男(まえだちかお)先生の色留袖が出て来て驚いた。
地紙に淋派の秋草が描かれているが、何と言っても地色が墨流しという技法で染まっている。遠目には無地だが、もやもやと地色がしてるのだ。

白生地も変わった別機で、お端折から下にはエ霞の地紋が絵羽状になっている。
絵柄は古典意匠だが図案の動きが素晴らしい。

『色彩は感情表現、絵柄は体型補正の為に』ということを教えてくださったのが、この前田親男先生だった。着物を自分の娘達と言うようになったのも、親男先生の影響だ。そんな先生の色留袖。随分としまい込んだものだ。

地色が確かに難しい色なのだ。モダンといえばそうだが海松色(みるいろ)の濃淡でマーブル染め、菊の花には枯れた感じの朱色、、が刺繍と共に挿してある。
絵柄は素晴らしいけど、明らかになか志まやの好みではない。では、なんでここにあるのだろう。

よく思い出せないが、考槃さんでも売るのが難しかったので、ならば僕が挑戦しませう!とお金もないくせに、漢を見せて(汗)、しかし安くしてもらって(漢じゃない)買い上げたのだろう。。。結局、世の中の流れも染めの礼装から織りの着物に人気が集まり、僕自身、先染めの絹ものをメインで扱うようになったことと、もともと色留袖の注文は少なく、あっても別染めすることがほとんどなので、この娘はどんどん忘れ去れてしまったのだ。。。可哀想に。。。

衣桁にかけて眺めると、今はそんな違和感なく、こんな小袖文様の袋帯を合わせてみると案外面白いかと。

明日、28日からの独立20周年感謝SLE・気っ風市に出品しようと思う。結構、値が張った色留袖だったけど、今回はちゃんと漢=男気を見せれるように気っ風の良さをお見せしたい。

●2012年04月25日(水)

そろそろ夏の着物も考えねばならない気候になってきました。

着尺は先染めの絹織物の薄物です。遠目には無地に見える微塵の縞を織り上げています。
適度のシャリ感から着心地の良さを約束します。
絹織物でありますが、勿論、水洗い出来る着物に仕立てる事が出来ます。これで夏の間も幾度も気兼ねなくお召し頂けるはずです。

八寸の帯は、近江の大西新之助氏作。ある機屋の留め柄です。

襦袢は京都・浅見の王上布。絹の襦袢ですが、勿論これも自宅で水洗いできる仕立て(一衣舎にて)が出来ます。

夏の着物は確かに面倒な事がありますが、ある意味、着物を着てくれる女性に感謝したくなるような、そんな感情を覚えます。どんなに肌を露出しても見た目はやはり熱い訳で、着物を着て涼やかに、凛とした佇まいを見せてくれる女性が、独り日傘で歩いている姿を眺めてみたいものです。

大げさに言えば、夏の女性のきもの姿は、暑さにダレている男共に少しでも涼味を贈ろうとしてくれる着手の心根であり、涼しげな着装への挑戦であり、あの余剰布を全身に纏いながら、日傘一本で表向きは汗も流さないで歩けるのは、日本の女性のみが到達する事が出来る境地だと思っている。

●2012年04月16日(月)

20周年記念 気っ風市 出品より


西陣紋お召着尺 斜め格子(金茶)
(袷:仕立上り価格  \126,000)

単衣にされてもよい着物です。(単衣:仕立上り価格\105,000)

●2012年04月15日(日)

20周年記念 気っ風市 出品より

単衣用に作られた西陣うすお召し着尺
(裏衿・居敷当 仕立代含む \105,000)


●2012年04月14日(土)

昨日のお見せの様子。

ご来店の予約を頂いていたお客様を待ちながら、なんとなく撮影してみました。それを眺めてみると、すこし個人的に笑ってしまいました。

この4月で、呉服屋歴も25年(生まれから数えるとさらに倍!)と成りますが、この画像奥から、七段お召しグラデーションの着物、制作年代は古いがモダンな柄の西陣錦帯、樹齢600年の椎の樹の樹皮から染めた地色と重層的な銀彩の二つの月を染めた帯、名物裂として茶人に愛された望月間道をあえて染めで挑戦した帯。。。

独立してはじめての展示会で、結城無地と江戸小紋をメインで提案してから、ある一つのメーカーのお召しに出会ってからは、先染めの絹織物に洋服感覚を求めて、コーディネイトも着物特有の草花を一切排してクールな装いを目指し、ここ数年、仁平さんに出会ってからは、あらためて染めのきものや帯を勉強し直している。。。

黒、グレー、白といったモノトーンを得意としながら、最近では進んで茶系も取入れている。。。(この画像に無い流れは、糸への目覚めとも言うべきものでしょうか)そんな大まかな自分史をこの画像の中に一瞬に見て取れてしまったので、なんか笑えてしまいました。さて、これから僕はどうなるでしょうね。

そんな今日は、この『二つ月』と『染望月間道』の帯を染めてくれた仁平幸春さんの誕生日でした。『おめでとうございます!!!。』これからまた、どんな作品を染めて貰えるか、、、、楽しみにしております。

●2012年04月12日(木)

レース柄の染め帯 仁平幸春 作

いや、しかしよくぞここまで染め上げたものだ。
まるで本物のレースを貼付けたような感覚を覚える。

そして西洋のレースの柄が、和の衣装として
凄まじく成立していることに感動を覚えますね。

着物は、黒の全面ロウムラ。これも仁平幸春氏作。