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ある日のなか志まやの出来事、つれづれ

2012年11月の店主日記
[過去の店主日記一覧]
●2012年11月29日(木)

新作 西陣お召にトラ目染め着尺

   『二つの月』銀彩帯    共にdye works Foglia 製

何度も何度も染め重さねて(6回)地紋の格子を引き立てるトラ目が染まりました。『二つ月』は和楽に掲載した柄ですが、新作は地色を深みのあるグレーに。銀彩との相性が増しています。

今宵だけの組み合わせ、満月の夜に相応しい幽玄な感じがでました。


●2012年11月13日(火)

『シンクロニシティな。。。着物と帯』

袋帯は地組織が羅織りされています。現代では夏の織物と考えがちですが、本来は重ね着する衣装において透ける事の優雅さを求めたもので、夏熱いからという織りの組織ではありません。緯糸には紬糸、モール糸、金糸などでざっくりとした横段を。見た目とは違い非常に軽い帯です。

着物と帯が同調し過ぎると、かえって野暮に見えがちなのですが、染めの技法(Foglia・トラ目染め)と織りの技法(西陣)が引き立て合わないか、、、と置いてみます。

同系色の濃淡で合わせることが今時代のセオリーのようになっていて、もしこのあと50年くらいして、この時代の着物と帯の取り合わせを見て何と思うでしょうか。ちょうど89〜90年代に大正ロマン風の着物を見直したように。

こうしたコーディネイトは作為無く単調になりがちですので、各々の布の力、染織技工の力が如実に現れて来ます。
ですので無地感覚のものを作ったり着こなす上で、より確かな技術とセンスを問われるのではと考えています。。