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ある日のなか志まやの出来事、つれづれ

2013年10月の店主日記
[過去の店主日記一覧]
●2013年10月29日(火)

仁平幸春氏新作・『手描き飛び絣』きものが入荷しました。

織りでは難しい配置の絣を、織物の絣の模倣ではなく『絣的な染め文様』として描いてあります。附下小紋風に柄を配し、生地感の良さ(無地場)も最大限に活かされた新しい感覚の染め紬。

白生地は経糸(タテ糸)も緯糸(ヨコ糸)も手紡の本真綿。
着こなすほどに身体に馴染む生地の風合いをもっています。
帯は名物裂の菊いちご文の名古屋帯(洛風林製)を合わせて、洒落感がありながら少しの礼節を表してみました。気軽なお茶席、趣味性の高いお遊びの場などで着て頂いたイメージです。この帯の他、色んな帯合わせが楽しみな一枚になると思います。
この着物も、31日から名古屋・瑞穂区の『岳見町ぎゃらりぃ』で行われる『睦月展』に持って行きます。その他、多数取り揃えておりますので、宜しければ是非ご覧になってくださいませ。

岳見町ぎゃらりぃ
http://www.takemicho-gallery.com/

追記:Fogliaの仁平さんの愛弟子、甲斐凡子さんの作品も2点持って行きます。更紗の帯と古典を題材にした染め帯です。なかなかよい帯なので合わせてご覧になってやってください。札の『凡』印が目印になってます(笑)


睦月さんDMより
睦月きもの展示会
2013年10月31日(木)〜11月3日(日)
11:00〜18:00

この度の睦月展は、特別な会です。
10月25日(森田空美先生のお話会)の時にご覧頂く
森田空美先生がコーディネートされた着物や帯、

小物を展示販売させて頂きます。
その他、厳選したお品を揃えました。
ぜひ、ご覧頂き、皆様のお着物のおしゃれに
取り入れて頂きたいと思います。

きものギャラリー 睦月
http://www.mutsuki-kimono.jp/



●2013年10月20日(日)

染色家・仁平幸春氏に依頼した最初の仕事が、着尺全体にロウムラをして新しい感覚の無地着物を作ることでした。これまでに9作、それぞれに思い出がありますが、このNO.9を最近お召になった方から頂いたメールで、自分が信じていたものが確信に変わりました。以下、お客様のメールから許可を頂いて抜粋しています。

『そして本題の、ロウムラの着物なのですが、
いやあ、いったいなんでしょう。
お店で見せていただいたときもそうでしたが、もう、今日も感嘆し通しでした。

着物を肩にのせたとたん、そして着付けていく過程でも、そしてお出かけして外を歩いていても、
今まで私が接していた着物とは、なんだかとんでもなく違うもの、です。

「着る」のではなくて「纏う」ということなのでしょうか。
肩にふんわりのって、ぴたりと整い、強風のなかを歩いてもちっともはだけません。

仕立てあがりの新品特有のきりりとした感じと、もうずっと長年愛用してしっとりなじんだ安心感と勝手のよさが、なぜこのように同居しているのでしょう。

反物、八掛、胴裏それそれの素材や加工、寸法や仕立てなど、一枚の着物ができるまでに関わっていらっしゃる方々のお力があってこそですが、様々な要素がうまく共鳴して初めて成せることに違いなく、それらをアレンジしてくださった中島さんにお礼を申し上げたく、メールを書いているしだいです。』

●2013年10月19日(土)

全面ロウムラという着尺に関しては、これまで幾度も、その染色方法の狙いなどを仁平さんの言葉を借りながら説明してきましたし、今までの呉服業界で、美しいとされている価値観とは違う文脈の衣装になっていると考えていました。
ただ制作者や呉服屋がただ言葉で飾り立てて、何も実証できないなら、それこそ『口先だけ』になってしまいます。

いくどもいくども継続して、それをその都度、毎回成功させて証明していかないと、新しい試みというのは、なかなか認められません。
そして、私達がやっているものは、あくまで着るものであり、特に着物は経年をして楽しむもので、衣装として総合的に目を行き届かせておかないとなりません。それゆえに、理を通した高額商品でもあると思います。

白生地と染色のマッチングをついに掴めましたし、胴裏、八掛の素材も表生地と沿っています。丁寧な仕立てと、素材同士が共鳴し合うようなコーディネイト、お客様自身の着付け技術の向上により、また美しい着姿を見せてくれています。
お召しになっているご本人もわくわく、その時にいらした別のお客様が大絶賛されて『私も自分の色で作りたい!』と予約された程。


●2013年10月18日(金)

好みでない方には、なにがいいのかと思われるかもしれません。
それはそれでいいと思います。なんか違うものだねと感じて頂けるだけでも良いです。今度は日月の帯を合わせて来てくださいね!とリクエストしておきました。この着物には、カジュアルから準礼装まで、帯合わせに無限の楽しみがありますし、それを受け入れてくれます。

紬糸のものから箔糸までです。
着物は自分という空間(ギャラリーのような)で、そこにどんな画(=帯)を飾るのかが、その人を美意識の見せ所です。