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ある日のなか志まやの出来事、つれづれ

2013年12月の店主日記
[過去の店主日記一覧]
●2013年12月28日(土)

『白い着物と黒い着物 1つの帯で』

白:紋紬(経緯真綿)にシケ引きをした長着
黒:明治時代の紋織りを復刻した長着 (下の画像)
帯:勝山健史氏 塩蔵の糸を使用した『フィレンチェ華文』帯

無地感覚の着物に気品を与えてくれる帯。
モダンさを兼ね備えた帯は、驚く程軽く、和紙のようにしなやか。絹糸の本来の美しさを最大限に感じる帯です。


●2013年12月27日(金)


黒:明治時代の紋織りを復刻した長着 

帯:勝山健史氏 塩蔵の糸を使用した『フィレンチェ華文』帯

●2013年12月24日(火)

『無地 縞 格子に極まる』ミムマムな着物と帯の取り合わせ

斜め格子の西陣紋お召着尺に、本爪掻綴れ八寸帯をのせてみました。着物も帯も総て『淡い配色の格子と縞』になっていますが、帯の経糸に黒糸が隠されていて、その存在が妙な緊張感を醸し出しています。

最近は、綴の帯を、その硬さ故(また柄が良くなかった)に敬遠される方も多く、産地でも生産することが少なくなっているようですが、この爪掻き本綴は70歳後半の女性がその熟練した手技のもと、時間をかけゆっくりと手織りされたものです。

よい仕事がされた紬織りの着物は、着て行く度に『布が育つ』といいます。帯の世界ではどうでしょうか。
何度も締めていくにつれて、弱くなっていくものが多いように感じますが、この帯の硬さは締めていくに従って程よい硬さに育っていくはずです。そして、何度も締めて少し筋がつくようになれば、裏を返して使えるのも、綴れの帯の良いところです。

独立した当初から殆ど扱うことがなかった組織なのですが、ここ数年、織り上がる度に分けて頂いてるのがこの方の綴れ帯です。


●2013年12月14日(土)

有職織物の帯をふたたび!

有職織物『厚板綾格子帯』にシケ引き着尺

上代・有職・名物という裂のなかで、有職文様の帯地を使うことは、なか志まやでは少なかったかもしれません。
それは、先染め先練りの絹織物の着物を扱うことが多かったからと、格式ある礼装の着物よりも、スマートカジュアルに分類されるような準礼装までの装いを提案してきたせいでもあります。

この帯は喜多川俵二氏の有職織物。俵屋・喜多川家18代目と言われますので、始まりは室町時代。江戸期に入って有職織物を手がけ今日まで至ります。喜多川家は、歴代の皇室の即位式やご成婚の装束を製織したり、今年に執り行なわれた、伊勢神宮において式年遷宮の御料(ごりょう)織物の製織も代々担っています。

平安時代の頃から、平織りと共に綾織りは公家関係の織物として使われてきましたが、この帯は綾織り。しっとりとした光沢感が美しい格子柄の帯に、上品な灰桜色のシケ引きの着物を合わせてみました。

帯締は両面亀甲貝の口組 帯揚は無地ちりめん

染めの着物を扱うことが増えると、これから有職文様をモチーフにした帯を使うことが増えるかもしれません。


●2013年12月08日(日)

白い羽織

先月にお納めした羽織をお召しになってご来店頂きました。
白シケ引きに木立を白上げで絵羽に配した羽織。
『京都・染の小阪』製です。


今年に入って羽織や道中着の注文が例年に比べて多いように感じています。今までは様々な着物に対応出来る、黒系の羽織やコートをお薦めすることが多かったのですが、小阪さんの染め着尺に出会ってからは、白/グレー系などの薄い色の羽織がお洒落だなと感じています。着物よりも薄い色を上に持ってくるのです。
これはその最たるもの、画像では見えませんが『木立の文様』が飛ばしてあります。

男物の羽織の場合も同じですが、着物よりも、薄い色の羽織を合わせるのは、一般的には上級者向けのような気がします。

今日は粋な縞の着物に合わされていました。
黒/グレーの縞着物に白/グレーの羽織。帯も黒/グレー。
帯揚の赤がアクセントになりつつ、全体に調和の取れた、とても美しい着姿でした。


●2013年12月07日(土)


しけ引き絵羽羽織のアップ

●2013年12月04日(水)

和小物さくら製『貝の口組・両面亀甲』が入荷しました。

眺めているだけで『その品格さ、確固たる締め心地』とでもいうものがひしひしと感じて来ます。わたしは組紐については勉強不足を否めませんが、今まで20年以上着付けをしてきて、知識ではなく、手の感覚でその組紐の良さを捉えて来ました。

いまでも鮮明に覚えている組紐の1つに、この貝の口組があり、それは白の訪問着に金モールのごつい袋帯をコーディネイトした時、その要としてこの組紐を締めたことがあります。

しっかりと言うより、寧ろ固さのあるこの組紐が、全体の装いをキリリと引き締めたは言うまでもありません。

今回は現代の着物や帯にコーディネイトしやすいように配色がなされています。全部で10色展開ですが、今日は4色がまず入荷しています。平唐組に続いて、定番で揃えて行きたい組紐です。