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ある日のなか志まやの出来事、つれづれ

2014年02月の店主日記
[過去の店主日記一覧]
●2014年02月27日(木)

昨年は夏物を仕込み数も多く、上がりもとても早くしたのですが、今年はのんびり目で少し焦って来ました。
ある織元から、試作品がなか志まや向きだということで拝見すると、好みでさっそく仕入れしました。けっして怠けている訳ではないのですが、こうしてなか志まやの好みを理解して、新しい作品を提案して頂けるのはありがたいことです。

これは壁糸を経緯(タテヨコ)に使う夏の着物です。
沖縄には壁上布というものがありますが、それは経ては生糸で緯糸のみ壁糸を使います。この反物は、織る段階で切れ易い壁糸を経てにも使い、麻織物とは違う張り感が楽しめます。

これまでは、先染めのものを提案してきましたが、今回は後染めをした経緯壁糸の着尺です。染めの加工を施すことで、張り感を残しながらも柔らかさが出て来ました。おそらく水洗い使用にも対応できる夏の着尺です。

この他に麻の九寸帯を、ジャワ更紗で染めたものも上がって来ます。これも珍しい作品になります。今年の夏用には3本制作しています。

仁平幸春さんによる、昨年、和楽にも掲載した麻絽九寸の染め分けは今年も作ります。きものギャラリー睦月の横山さんにもお召しになって頂いたので、ご存知の方もいらっしゃるでしょう。

あの上布に白シケ引きも勿論作ります。
生平の九寸名古屋帯生地が入荷したので、生地の風合いを活かした染めも考えなければなりません。

●2014年02月26日(水)

今日はお客様をお連れして、2月にオープンしたばかりの和装小物専門店・komomono玖(きゅう)さんにお邪魔して来ました。
なか志まやにも帯締・帯揚など小物はありますが、昨年、なか志まやに来店して頂いた時よりも、より沢山の小物の中からお客様にセレクトして貰おうという趣向です。

100色揃ったちりめん帯揚をはじめ、平唐組の帯締など、なか志まやでも定番で扱っているものを充実のラインナップで揃えられています。
バックもきの効いたものがありますし、なにより和装下着や肌着など、わたしではお話出来ない、女性同士の話もありますので、心強いです!(わたしは、耳がダンボになっていましたが;;)

玖さんもなか志まやも、マンションの中にある同士なので、出来れば玖さんが隣にあればなんと仕事が充実することだろう〜と妄想しながら、お客様にもご満足頂けたようで良かったです。

玖さんの情報はFacebookで常に発信されていますので、ご覧になってみてください。

https://www.facebook.com/komamonokyu


●2014年02月15日(土)

『白い八寸の帯に小物を乗せてみました』

気っ風市の欄に投稿した3本の八寸帯の中の1つ、西陣織の紬地白八寸帯に小物を乗せてみました。前柄は、黒のグダグダ線が2群あります。

帯締、帯揚は『和小物さくら』製の定番。
平唐組帯締と草木染ちりめん無地帯揚

帯締の色は深縹(こきはなだ)を少し渋く
http://www.colordic.org/colorsample/2065.html
帯揚の色は絹鼠(きぬねず)ぐらいでしょうか
http://www.colordic.org/colorsample/2400.html

なか志まやでは、端正な取り合わせが好きなのと、あまり季節感を出さない柄や色目を基本にしていますが
こういう着物や帯の場合、帯締などの色合いで季節感を出す事も可能だと思います。

着物は経て糸も緯糸も真綿紬糸で、千筋縞を織り出しています。
江戸小紋の染めの縞と違い、糸の節が沢山目立ちますが、それが良い味わいになっています。

春先に美術館にお出かけ、、、などという設定でしょうか。
夕食というより、ランチ。レストランもいいですが、鮨や蕎麦屋がいいです(笑、、、個人的には)


●2014年02月04日(火)

昨日、ご来店されたお客様達とお話している時、自分がした発言であらためて『そうだな!』と確信したことがありまして、それは、例えばマットな感覚する織物に帯を取り合わせするときでも、その帯が同じようなマットな織りのものでも、箔のものでも、その着物と帯の引き立て合いに、ある種の透明感を感じられるか!?ということが一番のセレクト条件であり、それが自分が常に目指す、着物と帯や小物の取り合わせ、すべての共鳴の仕方の基本として考えているということです。

言葉の選びと文の組み立てが稚拙なので、なかなかウマく伝えられませんが、要は透明感です。これはこの仕事を始める前から、いつのまにか自分の中で培って来た美意識というものかもしれません。

透明感、、、言葉にするのは簡単なのですが、それはただ濁り無く淡く光沢感のあるということでなく、シンプルでいて深いというか、軽やかでいて重みがあるというか、色んな要素が同じ方向を向いていて清々しいというか、なんかそういう感じです。

そういう言葉にするには私は語彙が足らず、ただそれを目の当たりにして『そう〜こういう感じだよね!』ということの連続を日々しているはずなのですが、いつかはお客様にも上手にご説明出来るようにしたいなと思いますね。

画像はギャラリーとーくでの展示

左 全面ロウムラ着尺にコプト裂葡萄葉紋帯

左 シケ引き着尺に唐花紋袋帯/経緯真綿に箔