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ある日のなか志まやの出来事、つれづれ

2014年10月の店主日記
[過去の店主日記一覧]
●2014年10月26日(日)

絣であること

川村成さんの帯が入選していると聞いて、新国立美術館にいそいそと出かけて行ったのが5月。その会場で一目で気に入って、川村さんをよく知る一衣舎の木村先生に頼んですぐに連絡を取ってもらいました。

川村さんの作品は、これまで一衣舎展で着尺も帯も拝見していたのですが、3月に月日荘で見た強烈な横段の絣帯以来、頭の中をシャッフルされたようで、その時から、一挙に絣付いた頭で単衣、夏を過ごして、秋を迎えてようやく、待ちにまった帯が到着しました。

国画会の時のタイトルは『ある町』。
帯全体で眺めていると、ここは家、ここは公園、ここは大きな建物、ここは川かな、、、などいろいろイメージを膨らませてみるのですが、帯として作られた以上、和装の着姿の例をひとつ作ってみました。

帯全体の丈からすれば、太鼓や前帯の柄はかなりのバリエーションが出来ます。このあたりは呉服屋と仕立て屋のセンスと技術の見せ所だと思うのですが、画像の太鼓柄は、一番華やかなタイプで作ってみました。

なか志まやが普段扱っているタイプの帯と大きく違うように思われるかもしれませんが、この素朴でありながら、もの凄く力強い経緯(タテヨコ)絣の帯は、非常に好みです。

木綿の着物は勿論、紬のきもの、染めのきもの、先染めの絹織物にまで合わせるイメージがあります。今回はスタンダードに120亀甲絣の小千谷紬。経て玉糸、緯が紬糸つかいで、亀甲絣がとても緩い感じで織られているのが、この川村さんの帯とよく合います。

この帯の魅力は、眺めても眺めて付きません。取り扱いは一衣舎となか志まやで、実際の帯を締めた着姿は、睦月の横山てる美さんが見せてくれるはずです。それも楽しみにしています。

●2014年10月25日(土)

着物 小千谷紬 120亀甲絣

帯  経緯(タテヨコ)絣九寸名古屋帯  川村 成 作

●2014年10月23日(木)

米沢の着尺

全国の織の着尺の中には、呉服専門店の中でも、その織上がりを待っている程のものがあります。そういう様々な人気のある織の着尺の要素を研究し、あらたに米沢の反物が織り上がって来ました。

サンプルにした裂見本は、仕立ての一衣舎・木村先生にご協力を得て、なか志まやの意向を汲んで頂き織り上がった第一弾。

経糸の組み方から新しく研究して頂き、程よい肉厚感のある良い生地が織り上がりました。これから、あたらしく紋型も作ってもらい、三色を指定してスタートします。
生地の風合いが数段に増して、それでもリーズナブルなタイプの着物になる、、、これほど嬉しい事はありません。米沢の底力を感じています。

●2014年10月20日(月)

『これが、なか志まやの格子の着物だ!』と言える反物が出来上がりました。

志賀松和子さんの作品、今年に入って何度も工房に伺い、電話やメールで打ち合わせして、お互いの意思疎通を計りながら出来上がった作品です。
この他に、無地が織り上がっています。どちらも『これが、なか志まやの布』と言えるもの、詳細は店頭にて、是非手に取って身体に沿わせて頂きたい反物です。

●2014年10月19日(日)

今日のお仕度

本格的な袷のシーズンになりました。今日は附下に金モールの袋帯です。普段はモダンなお召を着て頂いていますが、ときおり、こういう着物的な絵柄のあるものをお召し頂くと、装いのアクセントになり良いですね。この附下も帯も10年以上、愛用して頂いてます。

●2014年10月16日(木)

きものギャラリー睦月さんの、池下教室でのなか志まや展が終了致しました。東海を始め、遠方からも多くのお客様にご来場頂き本当に感謝しております。ありがとうございました。

なんどもお話させて頂いたのは、『無地感覚の着物は無口である』ということだったように思います。染めや織りで表現された、遠目には無地に見えるような反物は、一見どれも同じように見えて、多くの言葉を発することは無いのですが、永年愛用して頂くに従って、少しづつ着物からの語りかけがあるのではないかと考えています。

前には気付かなかった、あの帯との取り合わせで、こんな場所にも装うことが出来るようになるよと、少しずつ口を開いてくれるという感覚です。これまで幾度も、『スーツ感覚の着物は現代の生活にマッチしている』と言って来ましたが、最近は自分自身も、もう少し先を見るようになったせいか、着手もその布も、経年するごとに重ねられる味わいの変化を楽しみことが重要であると感じています。

育つ布が明らかにあるように、自分も育つはずです。
同じように歳を重ねても、さらに布からの語りかけがあって、自分も成長出来るような着物や帯をこれからも提案して行きたいですね。

●2014年10月06日(月)

名古屋のなか志まや展にむけて

本格的な秋冬にむけて、やはり真綿紬に目が行きますね。
画像は経緯手紡の真綿糸を高機で手織りした紬織り、白汚しの地色にグレーの縞を織り出しています。帯は洛風林のふくれ織り。洛風林らしい生地風合いの名古屋帯で、扱いもし易く、よく締まります。

この他、真綿系の紬を揃えていまして、中でも白鷹の経緯真綿は珍しいと思います。シックな黒紺にランダムな経て絣で縞柄を織り出しています。また、東京展では、白/ほんかなグレーの無地の地機結城紬がありましたが、名古屋では、シックなチャコールグレーの無地地機結城を持って行きます。

100細工の真綿糸を使った無地なのですが、絹織物とは違う柔らかな生地の光が美しいです。そしてやはり軽い。この結城なら少し格調のある袋帯まで合わせてお出かけに使いたいですね。ご興味のある方は是非。

日時 10月9日(木)〜13日(月)
場所 きものギャラリー睦月 池下教室
電話 080−3612−3578
時間 11:00〜18:00
名古屋市千種区池下1-9-16 リーセント池下ビル403号
東山線池下駅徒歩5分。
近くにコインパーキングも多数あります。


●2014年10月03日(金)

名古屋での、なか志まや展にむけて

着々と新作も揃えました。
睦月の横山さんが、愛用されている勝山健史さんの帯も新作を追加しました。プチ個展が開けそうな品揃いだと思います。2年以上待っていた綿薩摩も織り上がり、チャコールグレーの地機結城紬は、深い光を静かに放っています。織楽浅野さんの新作帯は、皆さんがご存知の浅野さんの帯とは、ひと味も二味も違うセレクトになっていて、浅野さんの感性に共鳴出来るような、着物との取り合わせを提案します。

それと、これも今年はじめから取り組んでいた、志賀松和子さんの着尺がいよいよお目見えです。彼女の織物は、いままでにない美しさを持った生絹(きぎぬ)の織物です。スタートは無地、そして格子です。目を見張る美しさを持っています。

また少しでも着物を身近なものとしてもらう為に、お値打ちな着物や帯などを用意しています。手の味のする逸品から、お買い求め頂け安いものまで、なるべく多くの方に楽しんで頂けるように準備をしておりますので、どうか一人でも多くの方にご覧頂きたいと考えています。

日時 10月9日(木)〜13日(月)
場所 きものギャラリー睦月 池下教室
時間 11:00〜18:00
名古屋市千種区池下1-9-16 リーセント池下ビル403号
東山線池下駅徒歩5分。
近くにコインパーキングも多数あります。

●2014年10月02日(木)

9月最後の日曜日、微塵縞お召の単衣でお出かけになられたお客様の着姿。
今日は、お茶席ということもあり、有職菱文をモール糸で織り出した、変わった地組織を持つ帯でお出かけになられました。

染めの着物の単衣よりも、織りの着物の単衣の方が着こなしも楽ですし、シワの付き方も安心出来ます。裏生地の見え方も染め物よりも、気をつけねばならない事が少ない場合が多いので、こうした時にお召という絹織物は有効な反物だと考えています。

ほどよい光沢感とドレープ感も美しいので、お席で座られてもよい雰囲気になりますね。

●2014年10月01日(水)

睦月の横山さんの着姿。太鼓の大きさ、柄合わせ、見頃の巻き、衣紋の抜きなど見事に着こなされています。着物はなか志まやオリジナルの微塵縞西陣お召、名古屋帯は洛風林だと思います。

横山さんにお召頂いてるこの着物は、いわゆるスーツ感覚の単衣仕立着物です。帯次第で、様々なTPOに対応出来る一枚です。帯の文様の柄名は分かりませんが、この装いなら今の時代、かなりの場所まで対応出来る、使える範囲の広い帯合わせですね。

生活様式全般にカジュアル化してる今の時代、だからラフな姿も許されるというスタンスで考えるより、大げさでない少しの礼節もって、洋服スタイルの現代の中に違和感なく溶け込める、溶け込みながらも誰よりも日本人女性として誇れるような着姿、なか志まやもこういう着姿を提案して行きたいものです。

私見ですが、帯の太鼓がシュ!と結んであるのは、このスーツ感覚の着物によく合っています。帯の結びも前下がり、後ろ上がり、太鼓の山もほどよく低め、手先と垂れの交点をピッ!とさせて結ぶ表現がこの着物にはよく合うのだと思います。

着物の帯結びは、太鼓系でもふっくらさせるものもありますし、垂れと手先の交点をわざと緩くしているのもあります。どれも着る方の個性や、着物自体それぞれに合う帯結びのニュアンスがあって、着手の個人の好みで結んでいいものです。緩く着付けた着姿の美しさも、シュッ!と着付けた着物の美しさも、両方に魅力があって、そこに布の素材感が重なって来ると、本当に着物の魅力は尽きないものです。

そんな睦月の横山さんの名古屋市池下の着物教室で、10/9(木)〜13(月)となか志まや展をします。素材のこと、コーディネイトのことなどはなか志まやへ、着付けのことは睦月さんへ、いろいろ相談を持ちかけてみて下さい。販売はしていますが、それだけが目的ではないのが、このなか志まや展だと考えています。