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ある日のなか志まやの出来事、つれづれ

2015年02月の店主日記
[過去の店主日記一覧]
●2015年02月25日(水)

今回の展示会のフラッグシップ

着物 綺芙織 勝山健史 

袋帯 ラ レコルト 洛風林


美しい絹織物とはどんなものだろう、、、と問い続けるのが、なか志まやの仕事の中で大きな意味を持っています。勝山さんの作品に関しましては、お客様に直接、じっくりとお話をさせて頂いて、ご理解のもとお勧めするつもりです。

洛風林による大胆な文様が目を見張る帯です。堀江麗子さんによる色出しで、制作は勝山織物。糸使いを聞くと、さすが勝山さん!という作品です。
太鼓柄は大胆な構図ですが、帯前柄は、違う柄ではっ!とします。

帯の文様はルネ・ラリックから。麦が意匠化されていて、題名は『ル・レコルト』。フランス語ですが、『豊潤』という意味で、とても大胆なイメージを持つ帯ですが、お目出度い柄でもある訳です。



●2015年02月24日(火)

25日(水)より3月8日(日)まで新作展&気っ風市              道案内と近くのB級グルメその1

明日25日(水)より12日間、新作展&気っ風市、弊社なか志まやにて行います。ほぼ準備が出来ました。

最寄りの駅は、丸の内線の新宿御苑前、大木土門出口の改札を出て、地上に上がったら(新宿通り)すぐに左。10m先のマミー薬局、正官庄(韓国の薬局)の間を左へ。プロント、フォミリーマートが見えたら正解。そのまま進んで花園医院、読売新聞を越えた十字路(蕎麦屋があります、もう目の前は靖国通り)で、はじめて右へ。70m先になか志まやの看板が見えます。暖簾のある処を入って階段で二階へお上がり下さい。

近所のグルメと言いますか、新宿三丁目あたりまで行くと(歩いて10分くらい)なんでもあるのですが、なか志まやの近くならば、田舎蕎麦『志な乃』。蕎麦とうどんの相盛りで有名で、天ぷらも美味しい。お勧めはけんちん汁。けんちん蕎麦、うどんも美味しいです。どのお品も全体にボリュームがあります。

http://tabelog.com/tokyo/A1304/A130402/13012030/

また違う店を時々紹介してみますが、基本、わたしはB級グルメなので、あまり期待しないでいてください。それでは、一人でも多くの方にお会い出来ますように。皆様のご来店を心からお待ちしております。

●2015年02月19日(木)

なか志まや新作展&気っ風市のおすすめ

着物の装いを『ギャラリー』にたとえるなら、ギャラリーの壁の色や造作は、なるべく白っぽくてシンプルなものにして、そこに飾る画(それは帯であったり小物であったり)で、その時のギャラリー空間の企画(つまりは着装の意味)が決まるとも考えられます。(晴着の話ではなく、褻着として)

そう言う意味で、なか志まやでは、あまり季節感を感じさせない、上質な白からグレー系の無地感覚の着物をお勧めすることが多いです。すこしベージュに寄った色合いも好んで使います。帯が着手の趣味性の高さや、その日の装いの意味合いなどを示してくれる役割になっているのです。

そんな着物の色合いの次にお勧めしていますのが、黒ではないが、黒に近い濃度を持つ着物の色合いです。藍に寄っているもの、紫を感じるもの、グレーに寄っているもの、反物の素材によって見え方は様々ですが、このくらい濃さのある着物も、帯次第で、なるべく長く様々なシーンで着用してもらえるのではないかと考えています。

『黒い空間』左から<上の画像>
勝山健史  綺芙織着尺 準礼装まで使える無地織
白鷹織   緯吉野織着尺
横内佳代子 しずはた織着尺
白鷹織   経緯真綿絣縞着尺
小千谷紬  杢糸真綿紬着尺

『白い空間』左から<下の画像>
織司なかむら 経緯風通織着尺 準礼装まで使える西陣お召
織司なかむら 経緯風通織着尺
白鷹織    綾織着尺
白鷹織    たつみ綾織着尺
下井伸彦   縞にまるまなこ綾織着尺

●2015年02月18日(水)


●2015年02月09日(月)

組織で勝負

着物 西陣お召経緯風通織・小格子 
帯  織楽浅野製 袋帯
帯揚 和小物さくら 染の小阪製シケ引き
帯締 和小物さくら

黒橡(くろつるばみ)という色は、知性的な大人なイメージがするように感じています。着物も帯も黒橡と消炭色の濃淡でまとめて、帯揚と帯締のグレーが華やかに感じます。

具体的な絵柄がなくとも、場の密度と奥行きを感じられる着物と帯。
織物は数学と云いますが、計算された美しさがあり、こういうときには、帯締や帯揚げはさらに慎重に選びたいですね。そのことによって、季節感を添えたり、お出かけ先の場に、相応しい装いになりますから。今回の小物の気分は水流です。


●2015年02月08日(日)

織楽浅野製 袋帯 太鼓柄

●2015年02月07日(土)

布味のみで勝負

本場結城紬の地機無地
中野みどり作 網代段九寸名古屋帯
平唐組帯締 ちりめん無地帯揚(共に和小物さくら)

チャコールグレーにほんのり緑味を感じる地機の結城紬無地。結城の地風の本領が発揮されてくるのは、一回目の洗い張りを過ぎた頃かもしれません。とにかく何度でもお召し頂きたい着物。ドライによる丸洗いはなるべくせずに、シミヌキ・汗抜きをこまめに。水に通す度に風合いを増す、いわゆる育つ織物なので、一生の付き合いができます。

中野みどりさんは、宗廣力三さんのもとで修行された染織作家。玉糸や紬糸を、やまもも、すももで染めて一年以上寝かせてから使用。網代織でシンプルな段を織り上げているのですが、その帯地は糸味がよく現れて様々な表情をみせてくれます。経糸がしっかりとしていて見事な計算がなされ、天才肌と聞く緯糸の打ち込みのセンスが伺えます。

帯締、帯揚はともになか志まやの定番としている無地のもの。
帯揚は濃く、帯締は薄くというのが、最近の好みです。

●2015年02月06日(金)

本場結城紬 地機の証紙

●2015年02月05日(木)

今日のお仕度

昨年の更紗展でお買い求め頂いた帯の、着姿の画像をお客様から拝借しました。無地のように見えますが、細かい縞を織り出した久米島紬に帯がとても映えていますね。帯揚の色と素材が、着物から帯への、上手な橋渡しをしていて、帯締が程よいアクセントになっています。

帯は、仁平幸春氏が主催するdye works Foglia製。インドネシアのバテックを題材にしたものです。なか志まやの好みに合わせて、細かい友禅とロウムラの強さを出して頂いています。

これからも、この帯に合う着物を模索して頂けるようで、こうして、末永く愛用して頂ける帯や着物を、常に意識し提案して行きたいですね。

●2015年02月04日(水)

『糸と組織』

染織家の志賀松和子さんと仕事をするようになって、いつも意識するのは『今迄にない美しい絹織物を作ろう』という事です。
前に染めた糸の分はとりあえず置いておいて、また前作とは違う糸で、あらたな組織を組み立てて貰っています。

下の画像、緑の布は、試験織布。布の風合いを触らせて貰いました(これから織る反物の色ではありません)。上の画像、これが、今回の糸の色(織上がりの色はお楽しみに)。簡単に言うと『生 生』から『生 練』に糸を変え、この緑の布に使用した経糸よりも、糸を太くして、綾の組織は見本になるものを見てもらって、そこから彼女なりに新しく組織を作って貰います。私の要望は『この色だから、柄は細かく』という、なんともシンプルなものです。彼女の作品は、毎回、糸も違い、染めも織の組織も変わる絹織物です。

絹の美しさを、最大限に引き出す為にはどうすればいいのだろうというのが大前提にあって、そこから、長く愛される、今様の呉服の布に着地させるのが私の役目であり、実際に日常に着るものとして、良い裏地があり、良い寸法と仕立てがあり、良い帯があり小物があり、良い着付けがありアフターケアがある。これが私が思う呉服屋の仕事です。

とにかく、絹の美しさを活かし、永く愛される布になり、自分が思う美しい着物として完成されることが何よりの願いです。2月中にはまた、志賀松さんの新作をお披露目出来るかと思います。

●2015年02月03日(火)

組織の見本裂 

*これから織る反物は、この色ではありません。

●2015年02月02日(月)

『琴糸』

現状はとりあえず置いておいて、日本人と絹は切っても切り離せない程、密接な関係を育てて来ました。『日本の音は、日本の絹でしか奏でられない』と言うと、そうなの?と思いますが、日本の楽器である琴、三味線、琵琶など邦楽器に糸は本来すべて、絹糸です。

私もしばらく長唄三味線をやっていたので分かりますが、ナイロン製の糸とはまったく音が違います。艶があり粘りのある音とでもいいましょうか。
原糸は春蚕の生引きした糸を撚ったものです。それをウコンで染めて糊を引き強撚をかけたもの。楽器に合わせてその糸の種類は350くらいあるそうで、まさに日本の音を支えていると言えます。

そんな大事な糸を切れたら捨ててしまうのではなく、大切に集めて(昔はその専門の業者が居たそうです)、その琴糸をもう一度丁寧に解いて、糸にして帯の緯糸として使ったのが、琴糸の帯です。本来の琴糸は、うねりが強く、波打った地風を帯地に与え、そのお陰で適度な張りと締め心地の良さで、着物通の方にとても愛された帯地だったのですが、昨今では、琴糸がなかなか手に入らず、帯としての製品は珍しいものになっています。

この帯は、撚りの異なる二種類の糸を合わせることにより、琴糸の風合いに似せた糸を用いた帯となります。グレイッシュな色合いにまとめた横段に、素朴な畝のある地風がモダンに見えます。
着物は白/グレーの経縞に丸まなこ綾織。帯締は御岳組、帯揚はちりめん無地、共に和小物さくら製。

●2015年02月01日(日)

白鷹織 琴波九寸名古屋帯