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ある日のなか志まやの出来事、つれづれ

2016年10月の店主日記
[過去の店主日記一覧]
●2016年10月30日(日)

附下『松葉』 制作 染の小阪

わたしのデジカメと使いこなす知識、また店での撮影環境では、色目の再現性に大いにの懸念があるのですが、繊細でありながら大胆に伸びゆく松葉の意匠が少しでも伝わればと思います。

画像は上前の部分、袖、衿、後ろ身頃へと、無地場の空間に見事に展開し豪華な訪問着と比べても見劣りもしません。ここぞ!という時の礼装にして頂きたい逸品です。

11月5日(土)〜13日(日)なか志まや新作展に出品します。
12:00〜19:00 なか志まやにて。是非ご覧くださいませ。

●2016年10月29日(土)

柳 崇さんの帯

矢車地綾市松・九寸名古屋帯、柳 悦博さんの時代から受け継がれた染織のDNAを感じます。『親父はすごい変なのも織ってたよ』と聞くとちょっと見てみたい。この帯も受け継がれながら進化をしてきたのだと思います。

どんな着物にも合ってしまいそうで逆に悩みます。こんな時はシンプル・ミニマム志向の私はまずはこの着物で。

経て糸も緯糸も手紡ぎの真綿糸、高機の手機です。白/ベージュにグレーの縞。帯締は独鈷縞、帯揚はグレー無地(共に和小物さくら)で最小限の色数でまとめてます。

なか志まや新作展に出品します。是非ご覧下さいませ。
11月5日(土)〜13日(日)12:00〜19:00

●2016年10月28日(金)

織司なかむらの西陣お召 小格子風通織

なか志まやの定番、小格子の新色が5色揃いました。お召緯(おめしぬき)糸を織込んだお召しが西陣の本筋、遠目には無地に見える程の格子は数色の糸で構成され、布地に奥行きを持たせています。

『無地 縞 格子に極まる(とするなら)』式服以外の着物において、このくらい細かい格子(裏面は縞)は着回しの頻度が増える着物になります。格式を感じるような帯でも十分に合わせることが可能、『カジュアル過ぎず、くだけ過ぎない』、服地に近い感覚でお召し頂けます。

11月5日(土)〜13日(日)のなか志まや新作展に出品いたします。12時〜19時、なか志まやにてどうかご覧くださいませ。

●2016年10月27日(木)

久々に西陣・丹波屋の洒落袋帯です。
紬の着物、染めの小紋などに合わせる帯ですが、色艶のある白の綾織の着物と取り合わせしています。

11月5日(土)〜13日(日)、なか志まや新作展に出品します。
(12時〜19時)

●2016年10月21日(金)

新作展出品より

着物 勝山健史 綺芙織  帯 勝山健史 ドレスデン華文

着物、帯ともに、長野県駒ケ根で育った繭を塩蔵し製糸した、美しい絹を使った作品です。

*大きな画像は、facebookのなか志まや公式ページ、またはインスタグラムのkimono_nakashimayaのページでご覧頂けます

●2016年10月14日(金)

着物 志賀松和子 練緯吉野格子(経、世紀21 生絹片撚り)
帯  勝山健史  団唐草 塩蔵繭使用名古屋帯
帯締 さくら   貝の口組無地(さくらオリジナル)
帯揚 さくら   無地

同系色の濃淡でまとめた取り合わせ。現代の生活空間、洋服環境に馴染み、活動的で凛とした日本の女性をイメージさせてくれます。
着物から帯、小物に至るまで上質な糸、染め、織り、組みの技術が着姿のクオリティーを上げてくれます。

志賀松さんの吉野格子の着物、3丈5尺3寸で572g。彼女は基本、生繭、乾繭からご自身が糸を挽かれています。今回も特別仕様(企業秘密)の糸を緯糸に使い織り上げました。572gは志賀松さんの作品としては重い方ですが、絹艶を少し抑えめにしてあり、このように少しドレッシーさのある帯から、縞の織帯、染めの更紗帯などなど、カジュアル過ぎはしていない、あらたまり過ぎもなく、きっちりとした装いに向いています。私の口癖である『シュッ!としてる』着姿になるでしょう。

格子柄の糸浮きで、真綿紬程ではないにしろ着付けの時に布が納まりやすく、着易いのでは(着付け時間の短縮)とも想像しています。

貝の口組の無地帯締は、京都和小物さくらさんの新作です。
武具を締める組紐として、または亀甲柄を組み込まれた貝の口亀甲組は礼装用の帯締として、よく認知されている帯締ですが、このように無地になりますとまた雰囲気が違います。同じ無地で組まれた冠組や平唐組よりも男性的な趣きがする帯締です。

●2016年10月13日(木)

『染め帯三連打!』

最後は、紙布に染め帯です。
更紗の輪郭のユルさと、青と茶という相性の良さが心地よい帯です。紙布なのでとても軽く、疲れた身体にも優しい帯。
この帯生地が残り最後の一本(生産中止に)だったので、もう一度染めてみました。帯全体の構図も、白地を活かした秀逸な帯です。

着物はこれまた生産できなくなった栃尾紋真綿紬に、斜め縞を染めています。帯地の『青と茶』を活かす、青味のあるグレー。茶色と共にこの色は最近のマイブームかもしれません。

*この栃尾紋真綿紬の白生地は、染めの加工を施すと、とてもニュアンスが出て良い白生地です。お茶席のような長時間、熱と圧を加える着用にでも、嫌なシワではなく、緩やかな美しいシワが付く程度で、通常の着用ではアイロンいらずかもしれません。

この生地の紋違いで、全面ロウムラ(仁平幸春制作)という着物を提案していますので、お分かりの方もあると思います。

●2016年10月12日(水)

『荒っぽいが緻密』と『褻(け)と晴れ』

着物 佐藤新一 白鷹板締め絣市松
帯  仁平幸春 平家納経 染め帯

絣文様に合わせて彫った板で糸を挟む『板締め』をして、染料をぶっかけて染めるという荒っぽい作業ながら、緻密な絣を織り上げるのが白たか織の特徴です。

蚊絣と亀甲絣を交互に市松に配したモダンな着物に、いにしえの柄を染めた帯を合わせました。武士から貴族に成り上がった清盛の荒ぶる美意識を、または褻(け)と晴れの境界線にいるような取り合わせの雰囲気を個人的に感じています。最近の中では特にお気に入りの着物と帯です。

●2016年10月08日(土)

着物 織司なかむら 小格子風通織 
帯  洛風林    マグノリアの花/黒地 九寸名古屋帯

洛風林のマグノリアの新色が入荷しました。そろそろ袷に袖を通せる季節です。どうかもう台風など来ませんように。

●2016年10月07日(金)

なか志まやの基本線はやはり、無地感覚の織の着物です。無地感覚の織物には10年、20年と愛用して頂くために、先ずは繭、そしてどんな糸にするか、それをどう染めてどんな織物にするか、そしてどう仕上げるか、、、それらすべてのクオリティが問われます。長く愛用して頂き、その布の経年変化を味わって頂くことが、無地感覚の織の着物の醍醐味です。

志賀松和子さん、勝山健史さんがつくる布はそういう織物であり、着物として完成させる仕立てのマイスターは一衣舎さんであります。布を見極めた美しく緊張感のある仕上がりです。

画像の勝山健史さんの有水羽絹は、日本染織の中でも屈指の絹織物です。制作も限定され、この着物も2年程の時間を要しました。なか志まや用に色目、織柄を作って頂いています。

●2016年10月06日(木)

志賀松和子 吉野格子 

志賀松和子さんが作る絹織物の基本線は生絹(きぎぬ)使いです。いままで様々な糸のつくり、組織を作って来ましたが、今年の八丈島での研鑽でさらにその布は進化しました。彼女は養蚕以外、すべての行程を1人で行います。稀な染織作家、なか志まやだけで発表しております。10月にも新作2反入荷、御期待ください。