TOP お知らせ 店主日記 よく遊べ 店舗のご案内 気っ風市 お問い合わせ

ある日のなか志まやの出来事、つれづれ

2013年09月の店主日記
[過去の店主日記一覧]
●2013年09月28日(土)

新作展・淡灰(たんかい)に新たに新作入荷

京都の『染の小阪』さんより新しいシケ引きの着尺が入荷しました。今までのヨコや斜めでなく、タテヨコの『格子』です。色は絹鼠、白鼠、白梅鼠あたりで、手描きの格子は、型染めや織りとは違い、大様な乱れ格子になっていますが、この色調と絶妙な染め加減、そして白生地は松岡姫という上質な生地ということもあり、格調も感じるシケ引きの格子の着物に染め上がりました。

帯合わせは如何様にでも出来そうですが、ここはあえて有職織物の格子柄の帯を、つまり『格子に格子』という取り合わせ。

この帯は父、平朗氏と同じく、二代続けて有職織物・人間国宝になられた喜多川俵二・俵屋さんの名古屋帯で『厚板綾格子』とも『高麗屋格子』とも呼ばれています。

着物は乱れ格子でありながら、帯は格式のある有職の格子帯、こういう取り合わせもあるかなと思います。

●2013年09月27日(金)

ミニマム『四十八茶百鼠』 ミニマム『淡灰』

鼠の色まわりをメインにしつつ展開した新作展ですが、鼠を追えば追う程、茶も気になるのです。
そこでこんな取り合わせを。

着物はなか志まやオリジナル・『織司なかむら』の極細縞風通。
多くのお客様に美しい絹織物だとお褒め頂きました。
一見、男前のように感じますが、身体にあててみると、とても知性的な奥ゆかしい感覚をこの生地は醸し出してくれます。

帯はシンプル極まりない綴れ八寸。
大胆に白と茶だけ構成し、白場に大きく格子を。
障子のような趣きもあります。

この着物と帯には隠れた共通点があって、着尺のお召には、お召緯(おめしぬき)の黒糸を使い、綴れの帯は、帯の真ん中と両端の白い処以外は、黒糸が経て糸になっており、なおかつそれは表裏ともに、何処にも出て来ません。着物のお召緯の黒も同じく出てきません。

鼠と茶を織り出しながら、黒を秘かに持つということです。
帯の白場から茶に行くまでの、白の横段のグラデーションも絶妙ですし、白といいながら、純粋な白というより、なにか奥に揺らいでいるような白、そこに格子という組み合わせが美しいです。

帯締は平唐組、帯揚は暈かし、共に和小物さくら製です。

新作展・淡灰(たんかい)は、29日(日)までやっています。
お昼の12時より、、、夜更かしが常の中島ですが、頑張って勤めさせて頂きます。


●2013年09月23日(月)

新作展・淡灰(たんかい)のまわり

レイシアのジャワ更紗。藤井礼子さんが現地に赴き、生地の手配、職人の手配、デザイン、染めまでを面倒みて生まれてくるジャワ更紗の帯。

この柄で全通、なおかつ名古屋帯の太鼓の引っ返し(裏側)の部分まで、びっしりと手描きされています。生地も現地の平織。

淡いグレーと緑の暈かし風な紬にあわせて見ました。
着物は諸紬地に、仁平幸春氏によるトラ目染めという後染めの加工をしています。

●2013年09月21日(土)

新作展・淡灰(たんかい)

『美しいキモノ』の秋号に掲載された仁平幸春氏のレース柄訪問着と取り合わせした名古屋帯です。レース柄の色調や文様にあう帯を選びました。

●2013年09月16日(月)

新作展 淡灰  9月21日(土)〜29日(日) なか志まやにて

少しだけ歪な線で着尺全体に細かく斜めの縞が染めてあります。

薄めの茶鼠を下地に引いてあるので、落ち着いた素鼠の色合いです。この反物は着物としては勿論ですが、羽織にされてもよいと考えます。
生地は浜ちりめんの中でも、一番安定感のあるしっとりとした生地です。

取り合わせした帯は、仁平幸春氏作のレースの染め帯。
この柄は、なか志まやでは3年前に一度、取り扱いしていますが、今回(チャコールグレー)は少し地色が違います。これまでに何本か色んな柄のレースの帯をやっていますが、この柄が一番好きですね。いまでも初めて見る方の中には、まるで本物のレースと間違われる方がいらっしゃる程です。

揺らぎのある斜め縞と、緻密な糸目とロウで表現された立体感のあるレース柄が良く合っています。

●2013年09月15日(日)

極細縞・風通お召着尺に勝山健史氏の帯を

織司なかむら製 極細縞風通お召着尺 銀鼠
勝山健史氏作  塩蔵繭名古屋帯 コーカサス華文 絹鼠・暁鼠・濃鼠

織りの着物で準フォーマルな装いを。
縫い紋をつけてある程度のお茶席でもいいでしょうし、お招きされたお席でも、洋装が多い中でもお召になって頂けるはずです。このお召は勿論、単衣にも向きますし、この帯も単衣から締めて頂くにはちょうどいいでしょう。

●2013年09月14日(土)

勝山健史氏作  塩蔵繭名古屋帯 コーカサス華文 絹鼠・暁鼠・濃鼠の段

勝山健史氏の作品です。桑の栽培から始まり製糸、染色、手機、湯とうし、砧打ちまで、どうすれば美しい絹織物が織り上がるかにこだわり抜いた作品です。手にすると和紙のように軽く滑らかな絹の美しさには目を見張ります。

●2013年09月13日(金)

新作襦袢入荷のお知らせ

ゆるゆるとした線と暈かしが魅力的な襦袢が入荷しました。
着物と帯は、どちらかというと無機質でモダンな取り合わせを好みとしていますが、長襦袢にはこういう緩さがあっていいように思います。

この生地と染めの堅牢度からして、自宅で水洗い出来る仕立てをすることが可能です。無双袖または単衣袖、居敷当付きの仕立てです。それを可能にしてくれるのは、仕立て屋・一衣舎さんの技術と一衣舎さんが開発された航空絹布という強い絹地があるからです。樹脂系のコーティングした洗えるシルクではなく、絹本来の持ち味を残し水洗い出来る長襦袢になります。

このことは、これまで何度か申し上げた通り、襦袢地のメーカーが水洗い出来る襦袢として保証し、販売しているものではなく、なか志まやと一衣舎のみが『水洗い出来る襦袢』としてお客様に説明してお売りしているものです。

この柄の他にあと3柄、新作の襦袢が入荷しました。
どれも新作展・淡灰の着物の下に合うシックなもの、大人の可愛らしさがあるものなどです。お仕立てに少しお時間を頂きますが、暑い袷の日が続くと予想される今こそ、自宅で手軽に水洗い出来る襦袢をお薦めいたします。


●2013年09月04日(水)

オリジナル新作 織難のでる極細の縞着尺

万筋の江戸小紋が手元にないので単純に比較出来ませんが、絹織物としては最高に細い縞になるでしょう。それも紋風通織りとなります。しかしこの極細縞をすべて着尺で織ることは業界的には避けて来たことです。簡単に言いますと機を止めた時、緯糸を交換する時、ほぼ必ず難が出るからです。

今回は難も織り込み済みで織って貰いました。
織り上がった『反物』はやはり難(今までの業界的な判断からすれば)が出ましたが、『着物』としてはなか志まやが目指すものが織り上がりました。

お客様には、このお召の特徴を難ではなく、味としてご理解頂ける方にお召になって頂こうと思っています。反物の風情は、凛としてモダンです。

●2013年09月03日(火)

私は金閣寺よりも銀閣寺の方が好きなせいか、この帯の柄、連子窓をモチーフにした格子柄には惹かれました。

取り合わせした着物もシックな色の風通お召。
濃いグレーにほんの少し緑が混じったような地色は、小さなドットと違い段が薄らと浮かぶ紋風通。お召緯の黒糸が落ち着いた着物の組織の隠れ味になっています。