お知らせ

勝山織物による『国宝文化財等保存活用事業』の『保存修理用絹布制作事業』について

勝山健史さんのInstagramより

『20年位前から始めた修理用絹布製作。製作履歴のはっきりしたものを使用したいとの要望から、蚕の品種、桑園、桑品種、有機栽培、自前製糸、製織と全ての段階を私たちで行う事で証明して修理用絹布製作を行っています。地道に積み上げてきた実績がこの度「国宝重要文化財等保存活用事業」の「保存修理用絹布製作事業」として文化庁から認められました。用途としては、国宝、重要文化財指定品の為限られたものにはなりますが、大変名誉なことだと喜んでおります。』 勝山健史 談

 

 

この『国宝文化財等保存活用事業』の『保存修理用絹布制作事業』として、文化庁から認められた事実、そして何よりこれは勝山織物が現在、日本の織物屋の中で唯一である事。私は小さな呉服屋ですが、勝山織物の作品を扱うものとして、この事に驚きと喜びを感じています。

長野にある勝山織物(株)絹織制作研究所には2度程お邪魔しました。そこで見たもの、そして学んだもの、そして勝山健史さんの作品を幾度も和装として取り扱い得た経験値、それは僕にとって絹織物を深く知り得るきっかけと、現在も更新されて行く『布への愛情』を育んでくれています。
詳しいことは、勝山さんに是非聞かれると良いのですが(5月末に京都で講演あります)、私の理解では『修理作品(国宝)によく馴染む絹織物、添い易い絹布』である事。具体的には、この結果、針と糸で縫い付ける箇所を最小限に出来る。これは、国宝染織品にとって最重要である事に違いありません。そして素性の明確性も言うまでもありません。
それと良く耳にして違うなと思うのですが、繭を塩蔵にする事で勝山さんの絹を特別にしている訳ではありません。塩繭はあくまで一つの在来(伝統)技術です。絹布を作るには様々なアプローチがあって、今のところ、塩蔵繭という方法を取られているに過ぎず、今後さらに良い方法があれば違うアプローチをされるはずです。
今回の事は非常に喜ばしい事です。勝山さんの絹織物は美しい、これはお買い求め頂いた機会のあったお客様は実感されていると思います。そして勝山さんの作品を呉服屋からお買い求め頂いた、その事実の積み重ねが、こうした事業の支えになっていると思います。もし明日にでも、ご自宅にある勝山さんの作品を手にされる時があれば、呉服屋としては、それを少しでも誇りに思って頂ければと願っております。