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店主中島の、習い事など趣味のページです。

2015年03月のよく遊べ
[過去のよく遊べ一覧]
●2015年03月30日(月)

今日のお仕度

グレイッシュな淡いピンクと薄いグレーのドット。
織司なかむらの西陣紋お召に、宝尽く柄の袋帯で今日はお茶席へ。帯締は平唐組(和小物さくら)、帯揚は変わりちりめんの無地。

新春から桜が咲くこの頃までに、お召しになることが多いお召です。モダンな調子にアレンジされた古典文様の宝尽くしが、光沢感とドレープが特長であるこのお召によく似合います。

●2015年03月29日(日)

夏を先取り 名古屋での二人展にむけて

4月4日から、名古屋の月日荘で『なか志まや・一衣舎 二人展』を行います。今年で9回目、例年ですと2月の後半から3月の後半なのですが、中島も木村先生も寒さが堪える年頃になり、春本番、暖かく桜が舞い散る季節に名古屋行きです。
そうなると必然的に、名古屋でお見せするものに夏物の比重も高くなります。今日は一つ取り合わせをしてみました。

着物 米沢の夏物 特殊な強撚糸をつかった絹織物
帯  手描きジャワ更紗レイシア 麻九寸名古屋帯

この着尺は、夏のなか志まやの定番になりつつあります。
(わたしも夏に愛用しています)
シャリと質感は勿論夏ものに必要なものですが、この夏の絹織物は、麻の縮みとは違い、程よい柔らかさが魅力です。身体から離れて行く布ではなく、適度な距離感を持ってるというイメージでしょうか。精錬しない生糸を染色しているので生絹(すずし)となり、ベージュ地に涼やかな水色の乱れ縞を織り上げています。

さらに、夏物のお洒落着として欠かせないのが、この着物は、小千谷縮などと同様に水洗い出来る仕様に仕立てられることです。夏の絹の薄物で、水洗いが出来る仕様になるものは、そう多くはないと思います。
お手頃な小千谷縮から次のステップとして、夏のお洒落着としてお薦め出来る着物になると考えています。

麻の帯は、インドネシアで染めた手描きジャワ更紗。藤井礼子さんが主催する更紗の工房。更紗を麻に染めるという試みを、昨年から藤井さんと相談して、作り始めました。昨年はなか志まやだけで、この企画を進めましたが、今年は何店舗か小売店さんも参加してくれているようです。

藤井さんのジャワ更紗工房は、普通では考えられないごつごつした野蚕の生地に、チャンティンでとても細かい蝋伏せが出来る職人を抱えている工房なので、麻生地にも見事に細密な更紗が染まっています。このペイズリー柄は勿論、全通(柄の端から端まで)の柄が描かれています。太鼓の裏にもちゃんと柄はありますので、うれしいですね。

真夜中の店内撮影では、夏の日差しに映えるこの着物と帯のイメージを中々表現出来ませんが、バカルディのモヒィートを飲みながら気分だけは夏です。
名古屋での二人展は天気に恵まれるでしょうか。
長期予想では少し崩れる模様ですが。どうかお客様が、着物を来てお出かけ出来ますように、天気だけでも良くなって欲しいと願っています。

●2015年03月28日(土)


●2015年03月23日(月)

今日の店内

東京も桜の開花宣言が出ました。週末から来週に掛けて見頃になりそうです。落合から江戸川橋の神田川沿い、靖国神社、千鳥ヶ淵は、仕事で近くにいく機会が多いので楽しみです。店から歩いて5分くらいに新宿御苑があって、ここも有名なのですが、最近は殆ど行っていません。そんなものです。

画像は白鷹の綾織縞の着尺に、川村成さんの吉野格子名古屋帯。

グレイシュな着物や帯が多いのがなか志まやなのですが、今日は春らしい色合いで。
この吉野格子帯は、少し難があるのですが(結んでしまうと隠れます)、爽やかな色合いとしっかりとした織り味がとても魅力だったので、分けて貰いました。川村君からは安く頂いたので、お客様にもお値打ちな値段でご提供します。

4月4日から、名古屋・月日荘での二人展にも持って行きます。
袷の時期は勿論ですが、春単衣の頃も良さそうです。
気になる方はお早めにご覧になってください。

●2015年03月22日(日)

呉服屋の徒然

重い雑誌の整理にもう5時間も掛かっている。どれかを捨てようと選別の為にページをめくれば、一つに30分。よくあるパターンだ。

棚から本を出して行くうちに、この本をようやく引き出せた。存在を決して忘れた訳ではないけれど、重過ぎる雑誌と重過ぎる本の下の方に重なっていたのだ。青山骨董通りに今もある、athalie (アタリー)山梨淑子さんの本である。

僕が東京に出て大学4年から、バーテンダーの仕事を始めたのだけど、そこで山梨さんに初めてお会いした。話をした訳でなく、カウンター越しに彼女を見たというのが正しい。その後、Barは南麻布に移り、店を任せられるようになると山梨さんとも一言二言会話をすることはあった。ただそれだけなんだけど、僕は彼女こそが『ザ・東京』という女性のように考えていた。またもの凄い隔世感というか、貴族と平民のような差を感じていた。

BARには、当時芸能人も多く出入りしていたし、銀座のクラブの女性や、金持ちの男性に連れられた美しい方々が沢山いらしたけど、山梨さんのオーラーは別格だった。
athalie (アタリー)については、その当時からあまり詳しくはなく、東京の毎日をとにかく生き延びた感のある頃だったので、Barをやめてからは彼女のことは全く忘れていた。僕はようやく呉服の世界に入り、修行をして独立したのだが、その当時は良く読んでいたキモノサロンという雑誌で、再び、幾度も山梨さんを見かけることになった。

『ここに来たか〜!!』というのが、正直な感想だった。
あのスノッブの頂点、『ザ・東京』と若い頃に思っていた女性が、素晴らしい着物を着て、雑誌に出ているではないか。それも自分の仕事と同じではないかと。そして彼女の洗練された美意識は、着物姿になろうとも、全く変わらずやはり突き抜けていた。

独立後、徐々に取引先が増えて、新橋の料亭での消費者催事に、僕も一人のお客様をお連れして参加した。名門の染織メーカーの催事だったのでお客様もそれなりの方々が集まっているようだった。懐石弁当をお客様と食べていると、凄い視線を感じた。その先に目を向けると、僕を凝視しているのは山梨さんだった。

彼女もathalie (アタリー)で着物を販売されているのは知っていた。きっとお客様と一緒だったのだろう。僕はすぐにその事が分かったので、『あっ!』というくらいの驚きだったのだが、問題は山梨さんの方だ。

『あの男はたしか、南麻布のバーテンダーではないのか』感が、もの凄く顔にでていた。バーテンダーなのに着物の展示会。ただそれはきっと繋がらなかったと思う。知っているバーテンに似ているが、呉服屋であるはずがない。誰でもそう思う。あのこちらを見つめる目力に負けないように、僕も随分長く目をを合わしていたけど、挨拶をすることはなかった。それが彼女と会った最後である。
・・・・・・・・・
山梨さんは数年前にご病気で倒れて、身体が不自由になられました。しかし、お亡くなりなるまで、けっして引き蘢ることなく、言葉も身体も麻痺で大変なのに、1人で街に出られたと風の噂で聞きました。僕のような平民には、想像つかないくらいの美意識とプライドをお持ちだったと思います。それなのに、偉いなと思いますね。

こうして今、もの凄く重たい本のページをめくりながら、彼女の選ばれた生活スタイル、調度品、そして着物姿を拝見していると、今でも多くの学びがあります。僕の仕事はかなり、がっつり日本的なシンプルさを好むので、山梨さんのシノワズリー的な美しさとは少し違うけれど、いま見返してもどのページも魅力的です。やはり今でも、『ザ・東京』です。


●2015年03月21日(土)


●2015年03月20日(金)


●2015年03月16日(月)

今日の早朝のお仕度

白シケ引きの着物 唐草文様の袋帯
平唐組帯締 ちりめん無地帯揚

大寄席のお茶会へ。染めの色無地に一つ紋付という装いとは、ひと味違うシケ引きの着物。コントラストを控えめにし、より無地感覚に染めてあります。白生地は松岡姫。ドレープが美しいです。

●2015年03月15日(日)

今日のお仕度 

緯風通お召の着物 唐花文様の名古屋帯
平唐組帯締 ちりめん無地帯揚

大寄席のお茶会へ。今日はお手伝いとのこと。
同系色の着物と帯合わせですが、帯締の色合いが挿し色として効いています。
西陣お召は、織司なかむら製、帯は織楽浅野です。

●2015年03月08日(日)

余貴美子さんの着物と帯

余さんから『着物と帯、着たわよ〜!』と連絡があって、楽しみにしていました。今月号の婦人画報に出てらっしゃいます。
前から三味線をやられるのは知っていましたが、今回は津軽三味線の太竿。わたしは長唄の三味線はかなりお稽古したことはあるのですが、唄が下手なので、いつか津軽三味線をやろうと心に決めています。

着物 栃尾紋紬にシケ引き 染の小阪
帯  塩蔵繭の名古屋帯  勝山健史

『なか志まやの新作展&気っ風市』 3月8日(日)までやっております。
染の小阪さんのシケ引きの着物も、勝山健史さんの帯も出品しておりますので、是非脚をお運びくださいませ。

●2015年03月07日(土)

着物 栃尾紋紬にシケ引き 染の小阪
帯  塩蔵繭の名古屋帯  勝山健史