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ある日のなか志まやの出来事、つれづれ

2008年05月の店主日記
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●2008年05月05日(月)

    澁澤龍彦と四谷シモン   『The 澁澤』 つれづれ4

 この二人のを関係を知るにあたり、少し共感出来ることがあった。自らを小学4年生の頭脳、読書というものをしたことがないという四谷シモンと、東大の仏文科卒のエリートで、彼の名を世に広めたサド作品をはじめ、多くの文芸批評、美術批評を書いた澁澤が、四谷シモンと交流を深めた。それが澁澤作品の読書を通してではなくあくまで人間的なつながりのなかで、四谷シモンは、澁澤が望んでいるであろう人形を作ろうとしたであろうし、澁澤はそんな彼の作品を愛したということである。
 人の人生を左右するような出会いはあると思うし、それが澁澤が書いた『幻想の画廊から』で紹介した、ドイツの美術家ハンス・ベルメールについて述べた文章の中の一つの言葉というのも実に興味深い。
『痙攣』という言葉だ。四谷シモンがどうこの言葉に感銘をうけたのか、僕には想像もつかないけれど、ベルメールの球体関節人形の一枚の衝撃的な写真と、難解な澁澤の文章のなかでただ一文字『痙攣』という言葉を読み取り、自分の人生を懸けた彼の行動は、僕には実に愛すべきことであるし、こういう類いの出会いは、自分の身にも十分に起こりうる出会いだと思えた。そして澁澤龍彦という人間に出会えた四谷シモンは、とても幸せな人間なのだと。『球体関節人形』はこの『The 澁澤』のデザインにおいて大きく、重要なデザインである。