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ある日のなか志まやの出来事、つれづれ

2007年04月の店主日記
[過去の店主日記一覧]
●2007年04月26日(木)

    今まで作った事がないものを

 織って頂くことにしました。
熨斗目でもない、絵羽のようで絵羽ほど正確ではない、染めものを思わせるような
織りの文様が一枚の中に展開する織物・・・

 打合せの段階でもぼんやりとしていたものを、作家さんと、こんなの?いやこんな感じ、それよりもこれ?と少しずつ形にしていく作業をしてきました。
これから、具体的な下図の作成など作家さんには頭を悩ませていただかなければなりません。

 糸の種類を決めて、色のグラデの幅を決めて、なか志まやらしい織りの着物が完成
するはずです。染め物ほど、出来上がりがうまく予想できない織の着物は、不安も大いにありますが、何よりも一つ一つ糸が交差しあって自分の想像を遥かに超えた『布』が登場するのではと期待を大きくもってしまいます。

 単純な縞でも格子でも、無地でもなく、『褻』の中の晴れらしく、控えめでありまがら、その実、圧倒的な感じ(笑)
まったく、何を言っているのか分かりませんが、そういう織物を頼んできました。

 その方は、一衣舎さんの個展でもう数年前から存じ上げていたのですが、先に大塚文庫でお会いした時に、突如『織ってもらおうー!』とお告げのようなものを感じまして・・・
 出来上がりは、9月末を予定しております。
進み具合は、ときどきお知らせいたしますね。

 僭越ですが、吉田さんの代表作になるくらいに、思いきって挑戦してほしいな。
そんなことをぼんやり思っていたりします。


 しかし、こういう糸て、なんて美しいんだろ・・・

●2007年04月06日(金)

      男と女の着付

 彼女の着物を彼が、彼の着物彼女が。
紐を結び合って、着付けが終わりました。
彼と彼女のなんと表情がいいこと。こういうのを見るのは仕事をしてて
幸せな瞬間ですね。
今後、着付けをしあうことなど、これきりかもしれないし、こうして紐を結び合うことが常になるのかもしれないし、それは誰も分からない。
二度と同じ形に着せられない着物は、どこか刹那的に思う。
でもこの記憶が残ることは、着付HOMMEのひとつの目的であるようにも思う。
着物姿が何故いいのか・・・日本人なら着てみたいとおもうのか・・・
多くのものが伝承されずに時代に埋もれていく中で、自分の手で女のきものを着せつけることが出来た男は、何かを受け継いでくれるように思うと考えるのは、呉服屋としての甘いロマンか・・・ 笑

●2007年04月05日(木)

     着付け師さんは・・・

 世の中に圧倒的に女性が多いのですが、彼女に着付けてもらうのも
これまた、ひと味もふた味もちがうものです。

 白妙の君が下紐我さへに今日結びてな逢はむ日のため

前に何処かで書いたかもしれませんが、紐を結ぶ!という仕草も、動作もその意味も
日本人には特別な感情が入れこめるものです。呪術的な意味合いも籠められるものなのです。そして、紐が装飾性を帯びた最高峰の形が、キモノの帯といえるかもしれませんね。
 キモノの着装の中で一番細いものが、腰紐・・・んー!
世が世なら男の場合、褌の紐が一番細い紐かもしれません。
(いまでも褌は素晴らしい下着だと思いますが・・・)
その紐を、後朝(=きぬぎぬ)の別れに、女にわざと結ばせる男がいるならば
なんと、女心のわかった男であろうと思われます!
(そんなこと実現はしませんが・・・)
ズボンのチャックを上げさせるのとは、趣きも違うのです(爆)

 さて、やはり女の帯は、できるなら男が締めてやるものです。
身体に沿った帯は美しいものです。やはり男は男の力があるものですね。
枕を背負わせてあげるのもいい。

 角帯を女に人に結んで貰うのは、特別にいいとも思わないけど
羽織を肩にかけてもらうのはいい!袖には自分から手を通します。

 着物が見せる仕草には、日本人なら理屈なく美しいと感じてしまいます。
またどこかで、世話物の芝居でもみて勉強でもしてみようかなと思いますね。



●2007年04月04日(水)

    着付HOMME・・・いえ今度は 着付FEMME

 彼女の着付けのあとは、彼の着付け!
 んー絵になりますね。ネクタイを締めてあげるのも、背広を肩にかけてあげるのも
 襦袢を肩にかけてあげるのも、羽織をかけてあげるのも、それは何一つかわらない
 ことなんですけど、なにか心に来るものがありますね。
 日本人だなと思います。カッコいい!

●2007年04月03日(火)

     着付HOMME 

 若いカップルの方!お客様である母上に送ったDMから、息子さんとその彼女が
参加されました。いやー実に素敵なカップルでした。彼女はとても嬉しそうだったし
彼は夏に着る浴衣に備えて、男の着付けの学習されていかれました。
 彼らにとっては、着物が日常着になる可能性は低いかもしれないけど楽しそうな雰囲気と彼の真剣さが、なか志まやもとてもうれしかったですね。

 それに、どのカップルにもいえるのですが、着物の裾の合わせ方とか確かに色々難しいところは、まだまだあるようですが、帯に関しては、男性が締めた帯はどれも
キリリ!としていました。
 もちろん今後、反復練習がないと着物を着せつけることはなかなかできないと思いますが、いい経験をされたのではと感じています。
 このHOMME企画、、、、まだまだこれからも発展させていきたいです。

●2007年04月02日(月)

    なか志まやの着付け!と余談

僕は、呉服屋で修行したときに、そこで少し着付けを習い独立してから、自分のお客様の着付けを無料(15年たっても未だに無料、、、笑)でしてきました。技術がまだまだというのと、着物を作っていただいたお礼として。
 
 紐の締め付けは緩いです。帯も強くないです。
強くは縛れません(笑) 襦袢の紐はいまでは、乳房ぎりぎりにでもできますし

(女性が男の着付けをしたら、やはり角帯の位置が高い!腰骨というけど
高いように思えます!僕的に美しいと思うのは、前下がりの頂点が、あそこの付け根から始まるぐらいにあること!たぶん、それは女性が男性の着付けのときには無理だとおもう。色んな意味で。でも
そういう強者の女の着付け師さんがいたらお会いしたいもです!)

その人に合わせて調整もできますし、衿元を崩さない自信もあります(多分)
 衣の重なりは、いいものです。
ブラの上に一枚の洋服も、それまた素晴らしいかもしれませんが、何枚も衣を重ねて、その度に『紐』で形を作っていく作業は、着物の本質だと思いますし、実に日本的で、日本人の感性に凄く合っていると思います。

 着付けを知るということは、着物を知る事で、紐を知るということは、つまりは
結ぶという行為を知るということは、布を大切にする日本人がいつまでも忘れてはならない作業だと思います。
 
 ベルトやホックやボタンやチャックでは、日本人的感性は育まれない!と断言してもいいです!

●2007年04月01日(日)

     着付HOMME 無事?終了!

 さまざまな名場面と、迷言を残し、おそらく参加していただいた皆様には
楽しんでいただいた『着付HOMME』が無事終了しました!
参加していただいた皆様、本当にありがとうございました。
 どの男性の諸君も、ほんとうに真剣な眼差しで女性の着付けに取り組んでいらっしゃいました。ほんとうに、どなたも真剣に!集中されて!
 
 素晴らしい!

 男が女の着付けする意味は、プロの着付師はまた意味がちがうかもしれませんが、色んな感情をもちますし、やはり、きれいにしてあげたいという気持ちは、必ず持ち合わせています。

 そこがいい!とおもいますね。
洋服とちがい、二度と同じ形はだせないので、ぼくもいつも一喜一憂しますし、今度はもっと上手に着せてあげたい!とおもいますし、それが出来るととてもうれしいものです!
 ご自分でささーと着物を着られる女性もたしかに、凄いですが
手助けを求めてくるのも、それも女のかわいらしさの一つにもなりそうですし、
それに『しょーがないなー!』て応えられるのもいいかもしれません。

 すくなくとも、今回受講していただいた方は、エスコート篇はよく、分かって頂いた思います。そういう資質を持たれた男子が集まられたと実感しています。

 いい男達!

本当にそうおもいますね。