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ある日のなか志まやの出来事、つれづれ

2012年02月の店主日記
[過去の店主日記一覧]
●2012年02月19日(日)

白の無地八寸紬帯 『帯展』より

白ぽい着物を羽織ってみたいとか、白の帯を結んでみたいという気持ちは、少なからずお持ちになったことがあるかもしれません。
男でなかなか白を着るのは勇気が要りますし、それは女性でもきっとそこそこ同じような感覚ではないかと推測しますが。。。

白の帯に関しては、以前、なか志まやのオリジナルとして『箔と紬糸』を合わせた袋帯を3タイプを真っ白で作りましたが、今回、珍しい物が入荷しました。それも、紬地八寸名古屋帯で白無地。

米沢の吾妻山麓の栗の木に付く、栗虫の幼虫(青白色の美しい長毛におおわれた)がつくる栗繭から紡いだ糸を緯糸に織り込んだ八寸帯です。地組織は綾織りで少しモダンな調子ですが、あの素朴なぜんまい紬をと同じ要領で製職されているようです。

画像では分かりませんが、所々薄茶の糸の節が白の中にアクセントとして効いています。
細かいですが地紋も浮き立ってくるので、ただ白いという味わいだけではなく、また張りのある生地なので、八寸の帯としては向いていると思います。

経て緯(よこ)に紬糸を使用した無地の紬着尺に合わせて、帯締めと帯揚も、着物と帯に同調させています。この紬の着物をさらに白っぽくしていくことも可能ですが、それはそれで勇気もいるでしょう。
でも、織り味のある白い着物なら、平坦にならず、色んな白さを感じさせてくれるので、白に白という組み合わせも素敵になることと思います。

*素人画像ですと、どうしても平坦で単調になってしまいますね。
 実物はもう少し織りのニュアンスがあります。着物も帯も比較的
 手頃なお値段で提供できます。



●2012年02月18日(土)



栗繭八寸帯のアップ。

●2012年02月14日(火)

着物と帯が共鳴するということ


●2012年02月13日(月)

なか志まや『帯展』出品より 織楽浅野袋帯『ビンテージ』


仁平幸春氏に依頼した『全面ロウムラ着尺,NO7』と織楽浅野さんの帯を合わせてみました。着物と帯が共鳴するということは、こういうことではないでしょうか?

風化して行く美しさもあると思います。布でありながら、陶器のような肌質を持つことに驚愕します。そのどちらの美しさも同時に表現出来たのが、この着物とこの帯であると考えています。

●2012年02月12日(日)

段熨斗目着物と銀彩の月帯


『しずはた織り』による段熨斗目の着物です。ご覧頂いているのは一衣舎さんによる仮絵羽。
経て糸、緯糸共に座繰り糸を使用しています。座繰り糸は自動繰糸に比べて、糸が伸び切っていなくて
凹凸もあり、ツヤのあるかさ高な糸です。

この着物には、緯糸用は経(タテ)のものより本数を多く合糸し、撚りの回数を少なくしたふんわりとした糸を使用しています。甘撚りの糸と打ち込みの強さのバランスで、着物に初めて袖を通したときから、身体に馴染む織り方をし、織物が身体に沿う時間(例えば、結城紬など何度も着たほうが、つまり時間を掛けた方が風合いが出ます)を短縮できるように、糸作りの段階から計算されて作ってあります。
銀鼠の糸は矢車の鉄媒染、あと渋木で染められた糸、布地にアクセントを持たすために柞蚕糸も織り込みました。


通常、京友禅にも見られるように、染め物に使われる箔は、布地の平面に美しく貼られることが最大の目的としています。この銀彩は、その逆です。平坦な箔使いではなく、幾重にも置かれた重層的な箔使いをしています。
仁平幸春氏と相談して、ロウムラ着物と繋がりのある新たな箔置きの技術を、この月帯でご覧頂けます。箔職人は平林隼人氏。

今回の帯展には、あともう一本。八寸の紬帯に箔による月帯を制作しています。
合わせてご覧になってくださいませ。