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ある日のなか志まやの出来事、つれづれ

2012年05月の店主日記
[過去の店主日記一覧]
●2012年05月23日(水)

昨年に引き続き、ここ郡上八幡の愚浄山房にて第二回愚浄山房展を開催することになりました。
この素晴らしい邸宅の中で、着物をゆっくりとご覧頂くこと、その贅沢な時間は日頃、都市生活に慣れてしまった私どもにとって、新鮮な驚きであり至福の時間でもありました。
それとともに、着物だけでこの空間を楽しむにはもったいない、何か欠けている
ようにも感じました。衣食住とはよく言ったもので、この3つ調和を求めて来たことで日本人は美意識を向上させてきたと考えます。ならば、生活に寄り添った器や家具もこの空間の中で提供出来ないものかと、昨年より企画を練って参りました。

今年の愚浄山房展は、着物という衣装だけに留まらず、漆器、白磁、木工、硝子など
5名の工芸作家を迎え、華道家による和花のインスタレーション、そして名室『山心亭』にてお茶のおもてなしをご用意して、皆様をお迎えしたいと考えています。
第二回『愚浄山房展』は衣(衣装)と住(住まう)の調和を(衣和住)をテーマに、数々の名品を皆様にお見せ致します。どうぞご高覧のほどを。

●2012年05月18日(金)

洛風林の同人会:勝山織物の五代目、勝山健史氏の塩蔵繭使用の新作名古屋帯が二本揃いました。

今回は、二本とも白地がベースで、『正倉院華文』と『市松取入子菱』です。

なか志まやでは、珍しい爪掻本綴の帯も入荷しました。
昨年に紋綴れを数本扱ったのが、本当に久々ですが、今回は正当派の技法でありながら、今までにない糸使いをして最高に今を感じるモダンな、なか志まやらしい帯となりました。

在り来たりな古典柄ではないが、その爪掻本綴の技法と新たな糸使い、それをいかんなく発揮させた職人の技術、、、平易な言葉で申しわけありませんが、控えめでありながら美しく礼節な気持ちを抱かせます。

帯は着物の装いの要となります。
それは今も昔もおなじだと思います。
多少適切でない表現でもありますが、いまの着物の装いは、長着をまるで美術館やギャラリー空間のように見立て、そこに何を飾るかで、そのオーナー(つまりは着手)の礼節や趣味性を表現しているような装いとも言えます。

無地・縞・格子に着物は極まる!とある時のダイレクトメールで書きましたら、それは先に白洲正子の言葉として存在していたことを知り、ある意味落胆しました。

今の着物も少し前も、多くは変わっていません。
ただ、塩蔵繭にしても、なか志まやらしくない綴れという技法にしても、これは、、と思えるものの多くは、昔から存在して、受け継がれたり、再発見された何かであることのように思います。


●2012年05月17日(木)

手織の紗紬・男帯と浴衣帯  愚浄山房展に出品

郡上といえば、郡上おどり。昨年は地元の方々の熱い気持ちにも触れる事が出来ました。揃いの浴衣ではなく、一人一人が、個性的な浴衣をお召しになるそうです。
そんな方々にお見せしたい。(紬糸は新居浜より、柄の部分はつづれで織られたもの・非常に珍しいと思います)

男帯は、半分に仕立てます。慣れた方は、帯幅を変えることが出来るように開き仕立てでもよいでしょう〜。

この他に、綿紅梅や長板の浴衣など、衿を覗かせて足袋を履かれるような大人の女性には、『かごめ羅』織の八寸の帯も用意しています。

また、今回は芝崎るみデザイン・Rumi Rockの浴衣も御用意して、皆様に見て頂きたいと考えています。江戸の粋を現代に解釈し直した浴衣は、どう評価して頂けるか楽しみであります。



『愚浄山房展』  

ところ 『愚浄山房』 住所 岐阜県郡上市八幡町小野211

とき 5月24日(木)〜5月28日(月) 11:00〜19:00
   (最終日は17;30まで)

*26日(土)27日(日) 茶室『山心亭』にてお茶とお菓子でおもてなしあり


●2012年05月12日(土)

勝山健史作 新作帯が入荷しています。

塩蔵繭使用の帯です。
触ると和紙のようなしなやかさと、絹本来の持ち味を感じられる帯です。

きものは農業である、、という言葉をどこかで聞きましたが、勝山さんが長野県飯島町に桑畑と養蚕場を作ったのが10年前、まさにゼロからの挑戦(分業でなり立つ呉服の世界において)がこうした形となって私たちは享受させてもらっています。日本の土から生まれた帯とも言えるでしょう。

20日過ぎには、あともう一本、出来る予定です。
そろそろ織り上がって、砧打ちされている頃でしょうか。。。

●2012年05月07日(月)

独立20周年記念 気っ風市は無事終了いたしました。

ご来店下さった皆様、メールでご注文くださったお客様、本当にありがとうございました。色々不安定な要素が多い世の中、もしかしたら劇的な変換期を迎えてるかもしれないこの日本で、着物を愛してくださる方々が多くいらっしゃることに、再び勇気を与えられました。深く感謝いたします。

ありがとうございました。

                    店主 中島 寛治